トランプ氏、「ゴールデン・ドーム」の詳細発表 費用1750億ドル


[ワシントン 20日 ロイター] – トランプ米大統領は20日、次世代ミサイル防衛システム「ゴールデン・ドーム」の設計を選定したと発表した。中国やロシアの抑止を念頭に置いた同プロジェクトの責任者に米宇宙軍作戦副部長のグートライン大将を指名した。

トランプ氏が1月に整備を命じていたゴールデン・ドーム計画は、飛来するミサイルを検知、追跡、迎撃するための衛星ネットワーク構築を目指し、数百基の衛星を配備する可能性がある。

同氏はホワイトハウスで記者会見し、ゴールデン・ドームが「わが国を守ってくれる」と表明。カナダが同プロジェクトへの参画を希望しているとも述べた。

カナダ首相府は声明で、カーニー政権が米国と新たな安全保障・経済関係について協議しているとした上で、「これらの協議には当然、北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)のほか、ゴールデン・ドームなど関連計画の強化も含まれる」と述べた。

トランプ氏は同防衛システムの費用は約1750億ドルに上り、「全てを」米国で製造すると述べた。自身の任期が終了する2029年1月までに運用開始されるとの見通しも示した。また、アラスカ州がプログラムの大部分を占めるとし、フロリダ州、ジョージア州、インディアナ州も恩恵を受けると述べた。

ただ、ゴールデン・ドーム計画は予算の不確実性に直面しているほか、政治的にも厳しい目が向けられる。

議会予算局は今月、ゴールデン・ドームの費用が20年間で8310億ドルに上る可能性があるとの試算を公表した。

民主党は同計画の調達プロセスや、トランプ氏に近い実業家イーロン・マスク氏率いるスペースXがシステムの主要部分構築でパランティアなどと共に有力候補に浮上していることに懸念を示している。

初期システムの多くは既存の生産ラインから供給される見通しだ。記者会見の出席者は、L3ハリス・テクノロジーズ、ロッキード・マーチン、RTXなどが契約を受注する可能性があるとの見方を示した。



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