「消費税で家計が疲弊し、企業は利益を貯め込む」知日派ジャーナリストが嘆く日本の残念な状況


【グラフで見る真実】GDPは伸びているのに国民の可処分所得が伸びないのはなぜ?

 昨年の衆議院選挙と同様に、野党各党は自民・公明連立政権が参院選で過半数を割り込むことを期待している。これまでも増税反対が選挙の争点となることはあったが、一時的な減税でさえこれほど重要な争点となるのは異例だ。

 私自身は、消費税は一時的な減税ではなく、大幅に引き下げるべきと考えている。その結果失われる税収は、過去数十年にわたって行われた法人所得税の大幅な減税の一部を撤回することで、容易に補填できる。

■消費税の減税分は法人税の引き上げで補填を

 以下では、経済的な合理性に焦点を当てて議論を進めるが、その前に、この問題の政治的な側面についてもう少し触れておこう。

 2012年、野田氏は消費税増税を主導し、その結果、2013年の参議院選挙で民主党(立憲民主党などの前身)は安倍晋三氏率いる自民党に大敗を喫した。彼はその教訓を学んでいないようだ。2024年の衆議院選挙において、野田首相は消費税減税と法人税増税の両方を党の公約から削除してしまった。

 しかし、自民党幹部は、減税の財源を他の増税で賄わなければ無責任だと主張している。自民党の財政タカ派を動かすもう一つの要因は、財務省が、一度税率を引き下げると、再び引き上げるのが政治的に困難になることを懸念していることだ。



Source link