北朝鮮の朝鮮中央通信は22日、北部の咸鏡北道にある清津造船所で21日にあった5千トン級駆逐艦の進水式で重大事故が起きたと発表した。式には金正恩(キム・ジョンウン)総書記が参加しており、金氏は「到底許しがたい重大な事故で犯罪的行為」だと厳しく指摘した。韓国の専門家によると、北朝鮮が軍事関連の事故を即座に公表するのは異例だという。
【写真】インドネシア、大使館再開で北朝鮮側と合意 外国公館を「選別」か
同通信によると、進水の過程でバランスが崩れ、艦の底に穴が開くなどの損傷があったという。金氏は6月に開かれる朝鮮労働党中央委員会総会で党の軍需部門や研究機関の担当者らの過失を追及することを明らかにした。
韓国の世宗研究所の鄭成長・韓半島戦略センター長は「事故自体よりも、その内容を迅速に公開したことがより驚きだ。隠すことよりも公開することで否定的なうわさをなくし、幹部らをしっかり統制しようという(金氏の)統治スタイルを示す」と話した。
北韓大学院大の梁茂進総長も「内部犯行などの臆測を事前に遮断しようとする意図がある」との見方を示した。(ソウル=清水大輔)
朝日新聞社