高速バスの座席予約システムで、「相席ブロック」と呼ばれる迷惑行為が全国のバス会社で増加している。今年のゴールデンウィーク前には、JRバス関東が公式Xで行為をやめるよう呼びかけ、話題になった。
「相席ブロック」は“裏ワザ”ではなく迷惑行為
「相席ブロック」とは、高速バスの座席予約において、一人で隣接する2席を予約し、そのうち1席を直前にキャンセルして隣に他の乗客が座れないようにする迷惑行為を指す。高速バスのキャンセル料が格安のため、少しの追加料金で2席を確保できてしまう構造が背景にあり、“裏ワザ”感覚でこれを使う人がいる。
もちろんこの行為は、バス運行会社とっては大きなマイナス。実際には空席があるにもかかわらず「満席」と表示されてしまい、機会損失が発生する。混雑する便や繁忙期には、本当に乗りたい人が予約できないという根本的な問題もある。
そこで4月22日、JR関東バスは公式Xで以下のように呼びかけた。
〈JR高速バスをご利用のお客さまへお願いです。乗車券はご利用される人数分の乗車券をお買い求めください。意図的に相席をブロックするご予約などは、他のお客さまのご迷惑となりますので、絶対におやめください。ご理解のほどよろしくお願いいたします。#JRバス #相席ブロック〉
この投稿により、「相席ブロック」という言葉を初めて知った人も多く、SNSではさまざまな意見が寄せられた。
〈あーなるほど。相席が嫌だから隣の席まで買うのがダメじゃなくて、買っておいてギリギリでキャンセルする人がいるのか。よくそんなこと思いつくな〉
〈もう今の世の中、性善説やマナーに訴えるのは限界である事を理解するべき。ホテルとかと同様にキャンセルポリシーを強めに設定するしかない〉
〈でも、相席となると例えば体臭が酷いやつが乗ってきたり、お相撲さんみたいなでかい人が乗ってきたりと自分が嫌だと思う人が乗ってくることがあるかもしれないから相席ブロックされても仕方ないと俺は思う〉
〈以前乗った夜行バスで、隣席からのイヤホンの音漏れで眠れなかった経験がある俺としては、相席ブロックする気持ちは分からんでもないんだよなぁ…〉
特に指摘が多かったのが、現行の「安すぎる」キャンセル料だ。JRバス関東の公式サイトによれば、キャンセル料は110円程度で、多くても券面記載額の20%。しかも出発時刻ギリギリまでキャンセルできる仕組みになっている。
投稿後、状況は変わったのだろうか。JR関東バスの広報担当者に詳しく話を聞いた。