「上の階から肉が腐ったような臭いが…」7人が殺害、遺体解体されたマンションの下で聞こえていたおぞましい音


【画像】大便を食わされ衰弱死…想像を絶する拷問で7人を嬲り続けた事件現場を見る

 今年の3月2日、私のスマホに冒頭の文章が送られてきた。送り主は、福岡県北九州市にあるカラオケスナックY(仮名)のマスター(64)だ。この文面から、ママ(当時83)が2月28日に亡くなったことがわかる。

殺人と遺体解体の現場となったマンションで営業するスナック

 私は23年前に初めて同店を訪ねて以来、幾度もママやマスターには話を聞かせてもらっていた。くだんのママが逝去したとの報せに、年月の経過を感じずにはいられない。

 同事件では主犯の松永太(逮捕時40歳)と内妻である緒方純子(同40歳)が、緒方の親族などへの殺人罪(うち1件は傷害致死)に問われ、松永の死刑と緒方の無期懲役刑がそれぞれ確定している。

メディア関係者で溢れかえっていた店内

 店内に入ると、事件の取材にやってきたメディア関係者で溢れかえっていた。当時はワイドショーの隆盛期であり、関東キー局からのクルーの姿が目立つ。そして週刊誌や新聞の記者などもいた。さらにそこに地元の常連客も加わってカラオケを歌うなど、とても落ち着いて話を聞ける雰囲気ではない。

 私がYでやっと落ち着いて話を聞けたのは、松永と緒方の逮捕3日後となる、3月10日のことだった。当時は40歳前後のマスターが、カウンター内で応対する。

〈「女の子(監禁されていた広田清美さん=仮名)を見たんは去年(01年)の夏が最後やね。夕方頃に近所をうろうろしよるんを見たことがあるっちゃ。背はかなり小さめで、身長は150ないくらいやないかね。痩せとって、服とかも最近のギャルとかとは全然違う、地味な恰好やったね。暗い感じやけ、一度も笑った顔を見たことがないんよ。なんかいつも俯いとる感じやった……」〉

 じつは当時、メディアがこの地に大量に押し寄せていたのは、「北九州監禁連続殺人事件」の発生を受けたからではない。

 この時点では松永と緒方による大量殺人は公にはなっておらず、あくまでも、長年にわたって監禁されていた17歳の少女(清美さん)が逃走したことで、加害者の男女(松永と緒方)が逮捕された、との発表を受けたことによるものである。



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