【ワシントン共同】トランプ米政権は全米屈指の私立大を「エリート層」の代表格と見なして敵視し、徹底的に非難してきた。多様性・公平性・包括性(DEI)重視策の撤回や学生デモの取り締まり強化など、政権の方針にあらがうハーバード大を屈服させれば保守派の支持固めにつながると踏んでいるもようだ。
「われわれはハーバード大に何度もチャンスを与えた」。22日、留学生受け入れの資格取り消しの通知文を出したノーム国土安全保障長官はFOXニュースで、ハーバード大や他の有力大学が政権の警告に従わず反ユダヤ主義の拡大を許してきたと糾弾した。
トランプ大統領はイスラエルを重視するキリスト教福音派を岩盤支持層としている。パレスチナ自治区ガザ攻撃に抗議する学生デモを厳罰の対象とし、協力しないハーバード大をたたけば、大口献金者も多い親イスラエルロビーの支持も得られるとの計算もある。
エリート層による「ディープステート(闇の政府)」が米国を牛耳っているとの陰謀論を掲げ、既存政治に不満を持つ白人労働者たちの支持も集めてきた。