東京・国立競技場で5月18日に開催された「セイコーゴールデングランプリ陸上」。世界陸連の公式大会で、9月に東京で行われる「世界陸上」の前哨戦でもある。そんな大事な大会で、俳優の織田裕二(57)が……。
【写真を見る】ニッコリ笑顔の織田裕二の隣でサニブラウンは気まずそう… 会場を静まり返らせた「衝撃の一言」とは?
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やり投げ女王は照れぎみ
大会の「顔」を担ったのは、女子やり投げの北口榛花選手(27)と男子100メートルのサニブラウン・ハキーム選手(26)だ。
競技終了後のフィールドでにこやかに談笑する二人の元に“乱入”したのが、「陸上オヤジ」として知られる織田。「世界陸上」のスペシャルアンバサダーとして、この日の閉会式を兼ねたPRイベントに出演するため、来場していたのである。
驚く二人に構わず、椅子を乗り越えて現れた闖入者は満面の笑みで、まず北口に祝福の言葉を投げかける。この日一度も首位を譲らず、期待通りに優勝したやり投げ女王は、照れた表情を見せた。
「あれ、変なこと言っちゃったかな?」
続いて、競技直前になって足の違和感で出場を断念したサニブラウン選手にはいきなり「あれ? 走らないの? って思ったよ」と配慮のない一言。実は、織田は大会の最終種目となった男子100メートル決勝で出場選手紹介の大役も務めた。そこで“主役”の不在に驚いたかのように「あれ、サニちゃんは?」と口走った声がマイクに拾われていた。欠場を知らなかったわけはないのだろうが――。
アンバサダーの期待を裏切ったスプリンターは、顔だけ振り返り「残念でしたが、足に違和感があって……」と申し訳なさそうに欠場理由を伝えていた。
陸上愛の強さゆえか、織田の自由な言動はまだ続く。この後行われた世界陸上PRイベントでも北口選手を絶賛する一方、サニブラウン選手には「陸上選手としての時間はそんなに長くないよ」と一言。間違ってはいないのだが、まさに今、足の違和感を訴えている選手にそれは……と感じた観衆も多かったのか、会場が一瞬、静まり返っても「あれ、変なこと言っちゃったかな?」と明るく口にしたのだった。
撮影・本田武士
「週刊新潮」2025年5月29日号 掲載
新潮社