【ワシントン=黒瀬悦成】米国防総省は24日、エスパー国防長官がスペンサー海軍長官を解任したと発表した。軍法会議にかけられた海軍特殊部隊「シールズ」(SEALs)隊員の処遇をめぐり、スペンサー氏が国防長官の頭越しにトランプ大統領と取引を図っていたことが判明し、エスパー氏の信用を失ったためとしている。
スペンサー氏はシールズ隊員のエドワード・ギャラガー上等兵曹がイラクで拘束中のテロ戦闘員を殺害したとされる問題などで、海軍が内部調査を行うことをトランプ氏が認める一方、ギャラガー氏がシールズ隊員の立場で除隊できるようトランプ氏に提案した。だが、エスパー氏が問題の取引について知ったのは後になってからだったという。
ギャラガー氏は軍法会議で殺人罪は認定されなかったものの、戦闘員の遺体と一緒に記念写真を撮ったとして降格処分となった。しかし、トランプ大統領は15日に処分を取り消したため、「戦場での不当な殺害を助長しかねない」などとする批判が出ていた。