この一言でどんな鈍感な相手でも己のひどさに気づく…理不尽な言葉にやんわりと切り返す「質問フレーズ」


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 ※本稿は、森優子『敵をつくらないホンネの伝え方』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■理不尽なことを言われたら、「その場」でやんわりが効く

 皆さんは、理不尽なことを言われたとき、どうしていますか?

 「空気が悪くならないようにしたいけど、なかなかできない」

 多くの人が、そのように思っているのではないでしょうか。

 当然です。だって理不尽なのですから。筋が通ってないめちゃくちゃなことを言われたら、誰だって気分が悪くなりますよね。顔に出て無言になる人もいれば、カッとなって攻撃的に反論する人もいるでしょう。

 言い返したくても、とっさのことで何も言えなかったり、自分の立場を考えて黙ってしまった人は、後から悔しさが込み上げてきて、眠れなくなってしまうほど言い返せなかったことを悔やむ場合もあるようです。

 また、攻撃的に反論してしまった人の中には、後から「ちょっと大人げなかったかな」と反省する人もいるようですが、ときすでに遅しとなってしまいます。

 そもそも理不尽なことを言ってくる人に問題があるのであって、言われた人が反省することはおかしくて、それこそ理不尽です。ですが、二度と会わない相手ではない限り、できれば上手にかわしてスッキリしたいものです。

 本音を上手に伝えることができる人は、理不尽なことを言われたとき、その場でやんわりと返します。そのときに、数秒間の間をとってから(ここ大事なポイントです)こう言うのです。

 「理不尽という言葉があるのを知っていますか?」

 いきなり言い返すときつく感じそうなこの質問形式のフレーズは、少しの間をとることによってきつさが軽減します。加えて、間をとったことで、理不尽なことを言われてイヤな思いをしていますという、相手への無言の訴えになるのです。

 落ち着いてゆっくりと、相手より大人になったつもりで、できれば微笑みながら言うといいでしょう。相手を見下すような笑みではなく、目だけ微笑むのです。

 仕事の仲間や友人なら、「理不尽という言葉を知ってる?」でもいいでしょう。微笑みながら言うことでユーモラスな雰囲気が出て、深刻なムードにならずに済みます。想像力のある相手なら、「確かに今の発言は理不尽だったかも」と、気づいてもらえる可能性があります。

 もちろん、微笑む余裕なんてないほど理不尽極まりないことを言われたならば、はっきりと「今のは理不尽だと思います」と言いましょう。

 その際に気をつけることは、数秒間の間をおいてから、いつもよりゆっくりした口調で落ち着いて言うことです。そのほうが感情的になるよりもずっと効果的なのです。

 どんなときでも感情に左右されず、冷静に行動できる理性的な人は素敵です。

 私自身も、目指し続けていきたいと思っています。

■後から伝えるなら、相手が「落ち着いたタイミング」で

 さて、理不尽なことを言われたときを含め、何かしらイヤな思いをしたときに、後からそのことを相手に伝える場合があると思います。

 相手からのまさかのイヤな言動に、その場では返す言葉が見つからず思考が止まってしまい、一晩寝ても二晩寝てもスッキリしないモヤモヤ感はストレスになります。

 時間が経ってから「あれはイヤでした」と伝えることは、決して悪いことではありません。ストレスの膨張を抑えるためにも、後からでもそのときの気持ちを伝えてみましょう。

 その際、気をつけることはタイミングです。

 相手の気持ちが高ぶっていたり、イライラしているように見えるときは避けましょう。仕事で忙しくしていると思えるときも然りです。

 直ちに話し合いをする必要のあるときは別ですが、そうでない場合は、相手が落ち着いているときにしましょう。

 そのときに、「今、話をしても大丈夫ですか」「話を聞いていただきたいので、少しお時間をつくっていただけますか?」と確認することを忘れないようにしましょう。



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