石破政権の命取りになりかねない
ここ最近、永田町でささやかれてきたのは7月の参院選で自民・公明が改選される66議席から大きく減らして、衆院のみならず参院でも過半数割れするのではないかということだった。
19日になって一斉に報じられた江藤拓前農水相の失言と更迭で雰囲気は一気に変わったわけだが、後継となった小泉進次郎氏が「コメ担当相」として持ち前の発信力を活かしてアピールを続けても、参院選はそう簡単ではないとの見方は根強い。
読売新聞社が実施した直近の世論調査で、「今後望む政権のあり方」について聞いたところ、「野党中心の政権に交代」の方が「自民党中心の政権の継続」を上回ったことが報じられた。
「ショッキングな数字でした。少数与党なりに丁寧な政権運営を続けてきた石破政権にとって大きな打撃となったのが今般のコメの価格上昇で、政権の命取りとなりかねないと言われてきました」
と、政治部デスク。
“コメは買ったことはありません”発言
「価格上昇は農政の構造的な問題を反映しており、多くを石破茂首相の責任にしてしまうのはいささか酷だとの指摘も少なくありません。が、ここまで価格が高止まりすると今度の参院選でコメ問題が争点化されるのは不可避。そんな中で出たのが江藤氏の失言でした」(同)
言うまでもなく「“コメは買ったことはありません”発言」だ。
「ひとことで言えばセンスがないなぁと感じました。江藤氏の発言全体を見ると、農業を守ることは国民のためでコメの価格を下げたくないとの本音がうかがえました。当初、発言を撤回しなかったこと背景には、都市部ではない宮崎2区選出議員として“当然だ”くらいの思いがあったのかもしれませんが、空気が読めていないと言われても仕方ないでしょう。ついでに言うと、父・隆美氏は総務庁長官時代にオフレコ発言を問題視されて辞任に追い込まれました。『植民地時代に日本は悪いこともしたがいいこともした』発言ですね。その考え方自体が間違っているとはいいませんが、なぜわざわざ記者との懇談の時にそういうことを言うのか、と当時は言われたものです。
その傾向が遺伝しているのかは別として、父子共に良くも悪くも思ったことを口にしてしまうタイプとは言えるのかもしれません」(同)