東京メトロが、ロンドンの地下鉄の運営に乗り出しました。東京メトロが、自社の路線以外の運行を担うのは初めてのことです。
■選ばれた理由は巨大都市ロンドンへの適応力
ロンドン市交通局 エリザベス線ダイレクター
ハワード・スミス氏
「私たちは、鉄道を効率的に運営できる団体を探していました。定時運行と優れた顧客サービスを提供できることが条件でした」
ロンドン市内を東西に横断する地下鉄「エリザベス線」。25日、東京メトロや住友商事などの合弁会社が、この路線の運営事業を開始しました。
ロンドン西部「ヒースロー空港」から東西をつなぐ、いわばロンドンの大動脈。最も乗客数が多い路線の一つの運営が日本企業に代わると知り、利用客は期待に胸を膨らませていました。
アイルランドから エリザベス線の利用客
「より効率的だと思います。ロンドンの列車は非常に効率が悪いです」
ロンドンから エリザベス線の利用客
「知りませんでした。日本は電車の時間に正確です。私たちの国でも知られています」
今回、日本の企業が運営を任されたことについて、鉄道ジャーナリストの梅原淳氏は次のように話します。
鉄道ジャーナリスト 梅原淳氏
「何よりも(イギリスは)地下鉄発祥の地なので、東京メトロはロンドンの地下鉄を見本に発展してきたので、運行に携わることができるのは非常に名誉なこと」
ロンドン市交通局は、現在の運営会社との契約が終了するのに伴い入札を実施。最終候補には、開業から運営を担っていた中国の鉄道運営会社「香港鉄路」も含まれていました。
それでも新たな運営に日本企業が選ばれた理由は、巨大都市ロンドンへの適応力だといいます。
梅原氏
「大都市の極端に多い人たちを、ほとんど混乱も起きずに比較的安い金額で安全・安定した(運行)ができる」
年間およそ2億人を運ぶエリザベス線。東京メトロではその10倍ほどの乗客を乗せ、ほぼ時刻表通りに運行しています。
こうした日本の“当たり前”が選ばれた理由かもしれません。