3人死亡倉庫火災、溶接工を書類送検 「迷走電流」容疑適用は初


 東京都大田区城南島のマルハニチロ子会社の物流倉庫で2月、冷却装置の更新工事中に3人が死亡した火災で、警視庁捜査1課は25日、業務上過失致死と業務上失火容疑で、横浜市港北区の溶接工の男(64)を書類送検した。捜査1課は出火原因を溶接工事の際に適切にアースを設置せず、電気回路の確保を怠ったことによる「迷走電流」と断定。迷走電流を原因とする死亡火災では、業務上過失致死容疑での立件は全国初としている。

 調べに対し、アースの設置について「電気回路を確保する金属棒を置き忘れた可能性がある」という趣旨の説明をしており、容疑を一部否認している。

 書類送検容疑は2月12日午後1時半ごろ、物流倉庫屋上で冷却装置の更新に伴う配管の溶接工事を行った際に適切なアースの設置を怠り、屋上直下の5階の荷さばき場で火災が発生。約660平方メートルが焼損し、荷役会社社員やアルバイト従業員、配管工の40~50代男性3人を死亡させたとしている。3人の死因は一酸化炭素中毒や焼死とみられる。

 捜査1課によると、男は溶接工事でアースに必要な「ワタリ」と呼ばれる金属製の棒を設置しなかったため、建物を伝わった電流が5階にあった電線管を加熱。周囲のウレタンから出火したとみられる。出火場所は溶接箇所から20メートルほど離れていた。



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