同志社女子でも、京都女子でもない…関西御三家の一角が“陥落危機”? 大学は「危機感を持ち改革を進めています」《関西女子大の勢力図》


 女子大“閉鎖”の流れが全国に広がっている。私立女子大学で入学定員割れの大学は24年度で7割を超える。実際に女子大数のピークだった1998年の98校から2023年までの25年で25校も減少している。

 共学化や統合も進む。25年度から東京家政学院大学、名古屋女子大学などが共学に舵を切る。26年度には学習院女子大学が学習院大学と統合する。

「次に危ない」と噂なのは…

 そんな中、健闘を続けるのが武庫川女子だ。減少傾向ではあるものの、志願者数は関西私立女子大でトップ。

「甲子園周辺で立地がいいのと、学部を拡充したのが功を奏しています」(石原氏)

 その武庫川に食われているのが、神戸女学院だ。神戸女学院といえば、京都女子(京女)、同志社女子(同女)と並ぶ関西御三家の一角。

「かつては京大や阪大を目指すような女子が通うトップ大。アナウンサーの有働由美子さんも北野高校から神戸女学院に進んでいます」(教育ジャーナリストの小林哲夫氏)

 だが、収容定員充足率が84.8%と他の御三家と20ポイント以上差をつけられ“陥落危機”だ。この割合は9割未満から段階的に私学助成金が減額されていく。また、学生数が収容定員の5割以下の学部がある大学には、文部科学省が学部新設を認めていない。しかも今後は7割以下で不可となる方針だ。つまり、大学の将来性を左右する数字だ。

 大学に聞くと「危機感を持ち改革を進めています。24年度の国際学部、心理学部開設、25年度の生命環境学部開設などです。受験しやすい入試制度導入や奨学金制度新設などもあり、志願者数と入学者数は両年度とも入学定員比約94%まで回復しました」と手応えを教えてくれた。だが、

「入試改革で志願者は増えましたが、歩留まり(実際の入学率)はよくないはず。中高は進学校で、内部進学者はほぼいません」(大学入試アナリストの石原賢一氏)

 京女は女子大唯一の法学部を持つが「京都の中心部で立地はいいがライバルが多い」、同女は「メインキャンパスが不便な京田辺市。薬学部、看護学部もあるのにもったいない」(ともに石原氏)と一長一短だ。

 現在配信中の「 週刊文春 電子版 」では募集停止が発表された京都ノートルダム女子大学に続く可能性がある「危ない女子名門大」を徹底取材。白百合、フェリス、東洋英和、聖心、昭和、実践、共立、大妻など名門25校の危険度リストを公開している。

「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年5月29日号



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