[ワシントン 31日 ロイター] – トランプ米大統領は5月31日、自身のSNSに投稿し、次期米航空宇宙局(NASA)長官候補のジャレッド・アイザックマン氏の指名を取り消すと発表した。アイザックマン氏は過去に行われた複数の選挙で民主党議員らへの政治献金を繰り返していた。
長官人事の議会上院での採決を6月第1週に控える中での突然の人事案撤回となった。トランプ氏は「過去の関係性を徹底的に検討した結果だ」とのみ説明し、ホワイトハウスとしても詳細な説明はしなかった。
アイザックマン氏は、実業家イーロン・マスク氏が推挙した人物。マスク氏は数日前に「政府効率化省(DOGE)」を率いる特別政府職員から離任したばかりだった。マスク氏の経営する宇宙企業「スペースX」に数億ドル支払って民間人として宇宙船「クルードラゴン」に搭乗したことがある。議会関係者の間では、マスク氏との近い関係に懸念の声が上がっていた。マスク氏の動静を知る人物によると、同氏は失望していたという。
ホワイトハウスは後任人事の協議を続けている。関係者3人によると、退役空軍中将のスティーブン・クワスト氏が有力候補の1人。米宇宙軍創設を早くから提唱していた人物で、トランプ氏支持者でもある。