「浅草に永代供養の墓を購入」元NHK記者の岩田明子に聞いた、結婚しない理由と早めの“終活”


【写真】世界中を飛び回って取材を行っていたNHK時代の岩田さん

老後の方向性が定まったら安心できた

 こう話すのは元NHK政治部記者で、現在はフリージャーナリストの岩田明子さん。しかし独身主義だったわけではない。

 一人っ子だったため、両親は自分たちが亡くなったあとのことを心配し、岩田さんは「家庭をつくって穏やかに暮らすのが良い」と言われて育った。そのため学生時代から出会いのチャンスは積極的に求めてきたという。

「私は司法試験合格を目指していたので、勉強時間を確保するために、図書館で一緒に勉強することをデートと称していました。とにかく遊ぶ時間を徹底的に倹約。なぜ彼氏が離れていったのか、その気持ちも当時はわかっていなかったんです」

 NHKに入局してからも周りに「誰か紹介して」と声をかけ、パートナーを探してきたが、記者という仕事柄、事件が起きるとデートを切り上げざるを得なかった。

「北朝鮮がミサイルを発射しそうだと連絡が入れば、顔つきが怖くなって、相手の話も聞いていられなくなります。食事中に取材先から電話が入ったら『ごめん。重大事案だから行くわ』となるので……。結婚を考えた人もいましたが、結局、一人でここまで来てしまいました」

 40代に入ると「この先、結婚して共同生活をしていくエネルギーがない」と悟ったという岩田さん。一方で老後の不安や孤独感が強くなり、更年期も始まって不眠症にも悩まされるようになった。

「それからはシェアハウスやシニアハウスを調べるようになり、元気なときから入所して、そこから仕事に出勤する。体調が悪くなったら医療行為を受けられて、看取りまでやってもらえるところに入りたいと強く思うようになりました。シニアハウスで暮らしている大先輩に住み心地を聞いたりもしました。

 実は私は寂しがり屋。居心地がよくて気の合う人たちがいるシニアハウスに入って、そこの共用スペースに友達が遊びに来て、常に人が絶えない環境をつくることが老後の目標です。こうして老後の方向性が定まったら、ずいぶん安心できました」



Source link