第1回【国民民主が支持率3・4ポイント急落で立民逆転 備蓄米「動物のエサ」発言で「玉木雄一郎代表」が大炎上、「消費者が求めるのは安い“ササニシキ”」発言に大いなる違和感】からの続き──。国民民主党の玉木雄一郎代表は5月28日、衆議院の農林水産委員会で備蓄米を「1年経ったら動物のエサになるようなもの」と発言した。(全2回の第2回)
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炎上したのは当然だが、そもそも国民民主に批判の声が殺到したのは、これが初めてではない。
一部のメディアは、7月下旬に参院選の投開票が行われる見通しを報じている。国民民主は5月14日、比例代表の公認予定候補を発表した。担当記者が言う。
「発表されると予定候補の顔ぶれに批判が殺到しました。対象となったのは維新の前衆院議員の足立康史氏、国民民主の元衆院議員の山尾志桜里氏、そして立憲の元参院議員の須藤元気氏の3人です。足立氏は暴言の多さ、山尾氏は過去の不倫報道、須藤氏は反ワクチン活動などが問題視されました。特に山尾氏の不倫問題は、4月まで国民民主の衆院議員だった平岩征樹氏と、党代表の玉木氏の不倫問題を蒸し返す結果になり、党のイメージを著しく下げてしまったのです」
実は批判を集めている公認予定候補は、もう1人いる。元参院議員の薬師寺道代氏だ。
薬師寺氏は2013年の参院選で、みんなの党の公認を得て愛知県選挙区で初当選。ところが19年2月に自民党から次期衆院選に立候補することを表明する。
すると21年1月に新型コロナウイルスの感染拡大を受け、医師としての活動に専念したいと立候補を取りやめてしまった。
「調子に乗っている」玉木氏
結局、薬師寺氏は24年の衆院選で自民党から立候補したが落選した。そして今度は国民民主から立候補するというわけだ。法律に抵触したり、倫理上好ましくなかったり、といった明確な問題点はない。しかし政党を渡り歩いた過去が「節操がない」などと批判されている。
4候補の公認が批判されたことと、玉木氏の“エサ発言”がネット上で炎上したことは、共通した原因に根ざしているという。
政治アナリストの伊藤惇夫氏は「玉木さんは『マスコミの注目を集める』、『世論を盛り上げる』ことを一貫して狙ってきました。それが最近になって裏目に出ているわけです」と言う。
「4人の公認予定候補を、私は“事故物件”と呼んでいます。この4人を擁立すると、物議を醸すことは誰でも分かります。ところが玉木さんは、単に注目を集めるだけだと楽観的に考えていたのでしょう。そのため批判が殺到しても、公認の理由を丁寧に説明することができませんでした。これでは有権者の理解は得られないと思います。なぜ玉木さんは、こんな判断ミスをしてしまったのか。言葉は悪いですが、それは玉木さんが調子に乗っているからではないでしょうか。国民民主の人気を過信し、4候補の公認で話題を集めることができる、と間違った計算をしてしまったのです。そして“エサ発言”も同じ判断ミスが原因です」