尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の罷免に伴い韓国大統領選挙が行われている。開票が進み、今夜中にも大勢が判明すると見られている。
「最大野党の李在明(イ・ジェミョン)候補と与党の金文洙(キム・ムンス)候補、どちらが勝利するのか」「日本への影響はあるのか」なども気になるところだが、ここではANNソウル支局 河村聡記者に「投票認証」や「選挙期間における服の色への配慮」など“韓国ならではの選挙事情”について聞いた。
韓国は投票で“ハンコ”を押す?
河村記者によると、韓国の選挙は土日ではなく水曜日に行われるという。
「韓国では基本的に水曜日に選挙が行われるが、今回は罷免の日程の都合で火曜日となった。ただし、平日ではなく祝日扱いになる。つまり、今日は休みということで、朝から投票所にも地域の方々が訪れている」
投票のやり方も異なるという。
「投票用紙に名前を記入するのではなく“ハンコ”を押すスタイルだ。候補者の名前の隣に投票用の(丸の中に漢字の『卜』と書かれた)ハンコを押して投票箱に投票する」
アイドルが赤い服の写真を投稿して“プチ炎上”
さらに若者の間では「認証ショット」というものが流行しているという。
「投票用紙は撮影できないので、持ち込んだ紙や自分の手に投票用のハンコを押して、外に出てから写真を撮って『投票に行きました』とInstagramやXなどにアップする。このようにフランクに選挙を楽しむ感じもあり、日本ではあまり見たことがない光景だろう」
認証ショットには「みんなで行きましょう」と呼びかける意図もあるのだろうか?
河村記者は「話を聞いていると、一番多いのはやはり『記念』だ。それに加えて、『政治に参加しています』というアピールもあるようだ」と説明した。
さらに、驚くことに韓国の芸能人は、選挙期間中に「服の色」にまで配慮しなければいけないという。
河村記者は「かなり敏感なところ」として「例えば、アイドルが赤い服の写真を投稿して“プチ炎上”したことも。韓国では保守系=赤、左派=青というイメージカラーの印象が強烈なので、選挙期間中にこの色を使うことをみんな避ける。ちなみに私も政治取材の時は青と赤以外のネクタイにしている」と実情を話した。
続けて河村記者は「選挙期間中はピースサインもダメだ。選挙期間にピースサインで写真に写ると、『候補者番号2番のキム・ムンス候補を支持する』と捉えられかねないので芸能人などは気にしている」と述べた。
2022年大統領選の投票率は77.1%と高かった。今回も関心度は高く、前回を上回る投票率となるかもしれない。
(ABEMA/ニュース解説)
ABEMA TIMES編集部