(CNN) トランプ米大統領の新しい公式写真が2日、公開された。そこには50年あまりにわたる歴代大統領の写真に見られた二つの要素、つまり、幸せそうな表情と背景の米国旗が欠けていた。
新たな写真は1月の就任式ごろに公開されたものに取って代わる。暗い背景の中でトランプ氏の顔の一部には影が差している。
この写真は連邦政府の建物に掲示されており、現在はホワイトハウスのウェブサイトにも掲載されている。
ホワイトハウスの関係者は、「大統領は世界で最もよく知られている人物であり、2期目に撮影されたこの新しい写真は、特にバイデン政権の悲惨な4年間を経たうえでの米国の楽観主義と決意を反映している」と評した。
写真のトランプ氏は赤いネクタイを締め、にこりともしていない。襟元の国旗は目立つものの、背後には何もない。
この見た目は、過去50年あまりの大統領とは一線を画している。何もない背景を選んだ最後の人物は1969年に就任したニクソン元大統領で、同氏以前のほとんどの大統領も同様の背景だった。
ニクソン氏以降の大統領はみな、ジェラルド・フォード氏をはじめ、ジミー・カーター氏からバラク・オバマ氏、ジョー・バイデン氏にいたるまで、右肩に国旗を掲げ、カメラに笑顔を向け、歯を見せている。オバマ氏だけは口を閉じたまま、ほほえんでいるように見えた。
1期目のトランプ氏はこの慣例を踏襲し、国旗の前で満面の笑みを浮かべていた。
一方、1月に公開された新たな写真の険しい表情は、2023年にジョージア州で大統領選の結果を覆そうとした罪で起訴された後に撮影されたマグショット(容疑者・被告の顔写真)に似ている。この写真でも隅には国旗が写っていた。
今回の写真には背景が一切なく、トランプ氏の顔と劇的なコントラストを生み出している。左から光が当てられ、右頬、耳、肩には影ができている。顔や髪は鮮明だが、シャツやネクタイはぼやけている。