「小泉進次郎氏の祖父が横須賀のヤクザで在日朝鮮人」という情報がSNSで拡散しましたが、これは誤りです。添付画像も経歴も小泉家と関係ありません。
拡散されたデマ情報とその内容
2025年5月末頃から、「小泉進次郎氏の祖父は横須賀のヤクザで在日朝鮮人、『刺青のマタちゃん』と呼ばれていた」とする情報が、上半身に刺青を入れた男性の画像と共にSNS上で急速に拡散しました。数百万回表示され、「小泉又次郎」と文字が重ねられた画像により誤解を招く投稿に対し、賛否の声が上がっています。
小泉又次郎氏と誤って拡散された刺青のある男性の画像
画像の真偽と小泉又次郎氏の事実
拡散された画像に写る刺青のある男性は、小泉又次郎氏本人ではありません。この画像は彫師の「彫千代」氏を写したものと考えられており、長崎大学附属図書館のデータベースに所蔵されています。元の画像には「小泉又次郎」の文字はありません。
そもそも、小泉進次郎氏の祖父は小泉純也氏であり、又次郎氏は進次郎氏の曾祖父です。又次郎氏は小学校教員、新聞記者を経て政治家となり、衆議院議員として逓信大臣などを歴任しました。確かに又次郎氏は刺青があり「刺青大臣」と呼ばれたという記録はありますが(小野友道著「いれずみ物語」)、拡散画像とは人物が全く異なります。彼の実際の肖像は国立国会図書館「近代日本人の肖像」などで確認できます。
国立国会図書館「近代日本人の肖像」に掲載されている小泉又次郎氏の実際の肖像写真
このデマ情報は過去にも拡散されており、日本ファクトチェックセンター(JFC)も2024年8月に検証し、誤りとしています(JFCの検証記事へ)。
結論
以上の検証から、「小泉進次郎氏の祖父がヤクザで在日朝鮮人、『刺青のマタちゃん』と呼ばれていた」とする情報は完全に誤りです。拡散画像は無関係の人物のものであり、又次郎氏に関する事実とも異なります。正確な情報に基づいた冷静な判断が重要です。
参考文献
- 長崎大学附属図書館 幕末・明治期古写真データベース
- 国立国会図書館「近代日本人の肖像」
- 日本ファクトチェックセンター(JFC)検証記事