CNN「最も強力な同盟の一つが終わり」
【ワシントン=淵上隆悠】米国のトランプ大統領と政権を離れた実業家のイーロン・マスク氏が5日、SNSなどで互いに激しく批判しあった。米CNNは「米国の政治で最も強力な同盟の一つが終わりを迎えた」と伝えた。蜜月関係にあった両氏は事実上決裂した。
火種となったのは、政権が掲げる大型減税を柱とした「大きく美しい法案」だ。財政赤字の増加が見込まれる内容で、5月まで政府効率化省(DOGE)を率いて支出削減を主導したマスク氏は廃案を主張している。
トランプ氏は5日、ホワイトハウスで記者団に対し、法案が電気自動車(EV)への支援策削減を伴うため、EV大手テスラを経営するマスク氏が不満を抱いているとの見方を示した。マスク氏への「失望」を語り、「イーロンとの関係は良好だったが、今後はわからない」と突き放した。
これに対し、マスク氏はX(旧ツイッター)で、自身の巨額の献金がなければ、トランプ氏は昨年の大統領選で敗れていたと指摘し、「恩知らず」と非難。トランプ氏もSNSで「支出削減の最も簡単な方法は、イーロンへの補助金や(経営企業との)契約を切ることだ」とやり返した。