27日午後5時5分ごろ、兵庫県尼崎市神田南通の路上で「男の人が撃たれて倒れている」と110番があった。兵庫県警によると、指定暴力団神戸山口組の古川恵一幹部(59)が頭や腹などを撃たれ死亡。犯人は現場から車で逃走したが京都府警が犯人とみられる男を京都市内で発見し、拳銃などを所持していたことから銃刀法違反などの疑いで現行犯逮捕した。男は対立組織の山口組系組員とみられ、兵庫県警は対立抗争の一環とみて殺人容疑で捜査を進める。
県警によると、古川幹部は尼崎市内の路上を1人で歩いていた際、近づいてきた男から頭や腹などに銃撃を受け、搬送先の病院で死亡が確認された。男は犯行後に軽乗用車に乗り込み逃走。県警は現場で実弾の薬莢(やっきょう)を少なくとも約10個押収した。
犯行の約1時間後、現場から約40キロ離れた京都市南区内の国道で、京都府警のパトカーが不審な軽乗用車を発見。警察官が停止させて運転席にいた男から事情を聴こうとしたところ拳銃を向けたため、銃刀法違反と公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕した。警察官にけがはなかった。
現場は阪神電鉄尼崎駅の西約400メートルの繁華街。近所の50代男性は「家の中にいたら壁をバットでたたいたような大きな音が10回ぐらいした。まさか銃声だったとは」と不安そうだった。
山口組と神戸山口組をめぐる対立抗争事件は今年4月~10月に兵庫県内で3件発生し組員2人が死亡、2人が重傷を負っている。