【ワシントン共同】トランプ米大統領は6日、ABCテレビの電話インタビューで、政権の目玉法案を巡って対立した実業家マスク氏を「正気を失った男」と呼び、早期の関係修復に否定的な見解を示した。蜜月を演出してきた米大統領と世界有数の大富豪の確執に注目が集まる。
トランプ氏は、マスク氏と電話で関係修復を模索する可能性があるとの報道を巡り、対話に「興味はない」とした。
マスク氏の企業と米政府は軍事や宇宙などの分野で巨額の契約を結んでおり、関係悪化の影響は多方面に波及しそうだ。
昨年の大統領選で多額の献金を通じてトランプ氏の返り咲きを支えたマスク氏は、第2次政権発足後は要職を任された。
連邦政府の縮小などを強引な手法で進めたことに政権内外で批判が出ても、トランプ氏は擁護。マスク氏が最高経営責任者を務める電気自動車大手テスラが不買運動に直面した際には、トランプ氏が車を購入し、話題もつくった。
だがマスク氏が、大規模減税の延長を柱とする政権の法案を批判したことを契機に、2人の関係は悪化。マスク氏は5月下旬に政権を離れた。