茨城弁を使ったインパクトのあるキャラクターで、『エンタの神様』や『爆笑レッドカーペット』など人気テレビ番組でブレイクしたお笑い芸人の赤プルさん(47)。そのユニークな芸風の裏には、若き日の壮絶な経験と、そこから抜け出し夢を追うことを決意した道のりがあった。かつて交際相手からのDVや多額の借金に苦しみながらも、周囲の言葉に背中を押され、新たな人生を歩み始めた彼女の過去に迫る。
エンタの神様などでブレイクした頃の赤プルさん。セクシーな衣装で人気を集めました。
若き日の苦悩:DVと「だめんず」との連鎖
高校卒業後、スナックで働き始めた赤プルさんは、客から「話がおもしろいね」と褒められ、漠然とお笑いへの意識を持ち始めたという。しかし、その頃はまだ芸能界への挑戦を具体的に考える余裕はなかった。当時の彼女は、交際していた彼氏からのDVに苦しみ、生きるのが精一杯だったからだ。その彼氏は地元の先輩で、外では魅力的に見えたが、家では豹変するタイプ。赤プルさんは高校時代から、いわゆる「だめんず」と呼ばれる問題のある男性との恋愛を繰り返しており、この交際中、特に同棲していた時期はまさに地獄だったと振り返る。DVはエスカレートし、実家に帰ることすら許されない監禁状態に陥ったという。約1年続いたその関係は、人生に行き詰まったと感じるほどのつらい日々だった。
家族の絆と借金問題
絶望的な状況の中、赤プルさんを救ったのは家族だった。それまで仲が良くなかったという祖母と母が、彼女を助けるために協力。家族の助けにより、命からがら実家に戻ることができた。家族の存在がどれほどありがたかったかを痛感する一方で、彼女には新たな問題がのしかかっていた。その彼氏が彼女のクレジットカードを限度額まで使い込み、合計300万円もの借金を背負わせていたのだ。若くして負ったこの借金は、彼女に自身の生き方を根本的に見直すきっかけを与えた。
転機となったバイト仲間の言葉、そして上京
借金返済のため、遊技場のスタッフとして働いていた赤プルさん。ある日、バイト仲間から「ほかにやりたいことがあるんじゃないの?」と尋ねられた。彼女は正直に「東京に行ってやってみたいことがある。でも、人に言えないまま諦めるんだ」と打ち明けた。当時、漠然と芸能界への憧れを抱きつつも、それを口に出せず過ごしていたのだ。その仲間は、「なんでここで諦めちゃうの?諦めるのは早いよ」と励ましてくれた。この言葉に背中を押され、赤プルさんは24歳で上京することを決意する。それは「夢を見つけるために東京に行く」という思いと、あわよくば芸能界に挑戦するチャンスを掴みたい、という希望を胸にした新たな一歩だった。上京後、彼女はイベントコンパニオンの仕事を始め、やがてお笑いの世界へと進んでいくことになる。
苦難を乗り越えて見つけた道
DVや多額の借金という想像を絶する困難に直面した赤プルさん。しかし、家族の愛情と友人(バイト仲間)からの励ましが、彼女に立ち直る勇気を与えた。自身の生き方を改め、夢を追うことを決意した彼女は、24歳で一人東京へと飛び出した。イベントコンパニオンとして活動しながら、お笑い芸人への道を模索したこの時期が、ブレイク前の赤プルさんの原点となった。困難を乗り越え、自身の力で道を切り開いていった彼女の経験は、多くの人に希望を与えるだろう。