「1」や「777」といった人気のナンバープレート番号は、多くの人が希望すればすぐに発行できなくなってしまうのではないか、と疑問に思ったことはないでしょうか。しかし実際には、同じ番号でも地域名や分類番号、そしてひらがななどの組み合わせによって、驚くほど多くの車両に交付が可能となっています。ここでは、日本の 希望ナンバー 制度の仕組みと、人気の番号がどのように管理・交付されているのかを詳しく解説します。
希望ナンバー制度の導入と交付の仕組み
希望ナンバー制度は1999年に導入され、これにより車のナンバープレートの4桁の数字を所有者が希望できるようになりました。特に、「1」や「8」、「777」といった縁起の良い数字や、「2525」(ニコニコ)のような語呂合わせの数字は人気が高く、これらは抽選対象となっています。
では、特定の4桁番号は一体何枚まで交付可能なのでしょうか。日本のナンバープレートは、地域名、分類番号、ひらがな、そして4桁の一連指定番号で構成されています。同じ4桁番号であっても、これらの要素の組み合わせを変えることで、多数のバリエーションを生み出すことができるのです。
例えば、普通乗用車に使用される分類番号は、一般的に「310」から「399」まで存在します(ただし、「329」や「399」は欠番)。これに2018年からはローマ字(A、C、F、H、K、L、M、P、X、Yの10文字)も組み合わせられるようになったため、実に388種類の分類番号が存在することになります。
さらに、自家用車で使われるひらがなは29種類(「お」「し」「へ」「ん」は使用されません)、全国には133の地域名があります。これらの要素を組み合わせると、全国規模で考えた場合、同じ4桁番号が付与される可能性のある台数は以下の計算になります。
133地域 × 388分類番号 × 29ひらがな = 約149万枚
同一地域内に限定しても、388分類番号 × 29ひらがな = 約1万1252枚もの同じ4桁番号が交付可能となります。この膨大な組み合わせがあるため、人気の希望ナンバーであっても、すぐに枯渇してしまう心配は非常に少ないと言えます。
様々な種類の日本のナンバープレート、人気の希望ナンバー「777」などが表示されている
地域差が見られる人気の希望ナンバーと抽選プロセス
希望ナンバーの人気傾向は地域によって特色が出ます。例えば、品川地域では「1」や「8」が人気を集める傾向にあり、名古屋地域では「8」や「358」といった番号が好まれる傾向が見られます。一方、大阪地域では「1」が圧倒的な人気を誇るなど、地域ごとの文化や縁起担ぎによって好みが分かれます。
抽選対象となる人気の希望番号への申し込みは、毎週日曜日の午後9時を締め切りとして、翌月曜日にコンピューターによる抽選が行われます。もし抽選に外れてしまった場合でも、同じ内容で再度申し込むことが可能です。
当選後、新しいナンバープレートが交付されるまでにかかる日数は以下の通りです。
- ペイント式のナンバープレート:入金確認後、およそ4日程度
- 字光式(光るタイプ)のナンバープレート:入金確認後、およそ5日程度
いずれの場合も、土曜日、日曜日、祝日、および年末年始は日数にカウントされません。
希望ナンバー制度を利用することで、誕生日や記念日、語呂合わせ、あるいは車名や型式にちなんだ数字、さらには単に自分が縁起が良いと感じる数字など、自身の価値観や趣味をナンバープレートの数字で表現することが可能になります。人気の番号であっても、地域名、分類番号、ひらがなとの多様な組み合わせによって、多くの車両に交付できる仕組みになっていることを理解しておくと良いでしょう。
参考文献
- 国土交通省
- 全国自動車標板協議会
- Adobestock