NHK放送100年を記念して制作される特集ドラマ「火星の女王」(12月NHK総合にて放送予定、日時未定)に、国際オーディションで主演に抜てきされた台湾出身の俳優、スリ リンと、菅田将暉が出演することが決定した。本作は、火星移住から40年後の2125年を舞台に、未知の存在との遭遇をきっかけに運命が動き出す本格SFヒューマンドラマだ。「日本ニュース24時間」では、この注目作の概要とキャストについて詳しくお伝えする。
特集ドラマ「火星の女王」主演のスリ リンと出演の菅田将暉
作品概要:100年後の火星で描かれる人類の運命
舞台は2125年、人類が火星に移住して40年が経過した世界。この地で、未知の“それ”との遭遇が発生する。この出来事が、新たな時代と人々の運命を大きく揺り動かすことになる。火星と地球、そして人類と未知の生命体との交錯を描く本作は、SF界で高い評価を受ける小川哲氏の小説「地図と拳」をもとに、繊細かつ壮大な世界観を表現する吉田玲子氏が脚本を手掛ける。想像の範疇を超える“100年後の物語”が、NHK放送開始100年という大きな節目にふさわしいスケールで展開される、重厚なSFヒューマンドラマとして期待されている。
NHK放送100年 特集ドラマ「火星の女王」場面写真
主演・スリ リン:火星で育った視覚障害を持つ主人公
本作で主人公リリ-E1102を演じるのは、2000年生まれ、台湾出身の新星スリ リン。2022年に短編映画でデビュー後、台湾ドラマやNetflix作品で注目を集め、今回が日本のドラマに本格初出演となる。
リリは22歳。視覚障害を持ちながら火星で育った彼女は、ラジオから流れる地球の音楽、特にバンド「ディスク・マイナーズ」に魅了され、地球へ行くことを強く願っている。その目的は、かつて火星で出会い、誰にも話していないある約束を交わした白石アオト(菅田将暉)と再会するためだ。しかし、地球への出発を控えたある日、リリは自らの運命を根底から覆すような重大な事件に巻き込まれてしまう。
スリ リンは、リリという複雑な役柄を演じることについて、「リリを演じることができて、そしてドラマの想像を絶する未来で皆さんとご一緒できるなんて、本当に幸せです」と感激の思いを語っている。「火星のことを思い出すと、温かくて苦しくて幸せな思い出が、今でも本当の夢のような存在です」と、撮影を通して火星という舞台に深く没入した経験を振り返った。
「火星の女王」主人公リリ-E1102を演じるスリ リン
菅田将暉が演じる白石アオト:リリと心を通わせるISDA職員
リリの再会を願う相手、白石アオト役には菅田将暉が決定した。アオトはISDA(惑星間宇宙開発機関)に勤める若き職員。鉱物に関する深い知識を持ち、リリと同じく「ディスク・マイナーズ」のファンであるという共通点から、彼女と心を通わせるようになる。しかし、彼自身もまた、過去に起きた出来事からくる葛藤を抱え、揺れ動いている人物として描かれる。
菅田将暉は、本作への出演について「放送100年。100年後のぼくらの話。想像の先の先をイメージしながらのお芝居は、未知との遭遇の連続でした」と、未来の世界を演じることの難しさと同時に充実感を語った。さらに、「しかし、進化したテクノロジーの隣には、良くも悪くも変わらない体温がありました。未来を想像しながら観るのが楽しみです」と述べ、技術の進歩と人間の本質との対比が描かれる点に触れ、ドラマへの期待を寄せた。
「火星の女王」白石アオト役の菅田将暉
結びに
NHK放送100年という記念すべき年に放送される特集ドラマ「火星の女王」は、国際派の新星スリ リンと実力派俳優・菅田将暉を迎え、壮大なSF世界で人類の未来と運命を描く意欲作だ。小川哲氏の原作と吉田玲子氏の脚本が織りなす100年後の物語が、私たちに何を問いかけるのか、12月の放送に注目したい。
出典:TVガイドWeb