入隊はキャリアアップ? 変わる韓流スターの兵役 復帰後にも影響


【写真】2024年、除隊したジェイホープさんを迎えたジンさん

 「韓流スターと兵役」などの著書があるジャーナリスト、康熙奉(カンヒボン)氏は「韓国男性は物心ついたときから兵役に行くことを考えている。平和に見えても休戦状態が続いている韓国の現実に、思いをはせる機会になってほしい」と語る。

 康氏の元には、推しの入隊が決まったファンからの相談も来るといい、「特にすごかったのは東方神起の入隊で、次がBTSだった」と振り返る。「韓国では息子が入隊すると、軍隊経験のある父親と違って、母親が一番心配します。でも日本のファンは、本人の母親以上に心配しているかもしれません」

 軍隊内では過去に集団的いじめや自殺、銃乱射事件なども起きている。「2000年ごろは殴られながら兵役を全うしたといった話を多く聞きましたが、次第に待遇が改善されました。それに万が一芸能人がいじめられたりすれば、上官のキャリアに傷がつきます」

 青春時代を軍隊で過ごす兵役は一般男性にとっても過酷な試練だが、閉ざされた環境で自分を鍛えたいという人も多く、「責任感が芽生えた」「心身が強くなった」といった声もよく聞くという。兵役中の絆は強く、ソウルではよく同期の飲み会が盛り上がっている。逆に免除された人たちは、社会的に厳しい立場に立たされる。

 00年前後には、兵役免除になるために徴兵検査で不正をするアスリートや芸能人の兵役逃れが相次ぎ発覚。特権階級の息子たちの兵役逃れも明らかになり、世論の強い批判にさらされた。

 最近は「避けられないなら、むしろキャリアのプラスに」と厳しい部隊を志願するスターも現れた。「軍隊での活躍や評判は、復帰後のイメージにも影響するのです」【客員編集委員・磯崎由美】



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