中居正広氏巡る問題で新展開 フジテレビが元社長ら提訴 第三者委「性暴力」認定巡り波紋

フジテレビは6月5日、元社長の港浩一氏(73)と元専務の大多亮氏(66)を提訴する方針を明らかにしました。これは、元タレントの中居正広氏と、同局の元女性アナウンサーA氏を巡る一連の問題において、事案発生当時の対応責任を問うものです。このフジテレビを巡る問題は、第三者委員会調査報告書が「性暴力」と認定したことを巡り、大きな波紋を広げています。

フジテレビ、元幹部を提訴・現役員処分へ

フジテレビは、第三者委員会が3月31日に公表した調査報告書を受け、当時の対処に当たった港氏と大多氏の法的責任を追及するとしています。また同日、報告書に記載された各事案について、当時の編成部長B氏らの処分することも発表しました。

賞罰審査委員会による決定に基づき、B氏は女性A氏への二次被害につながり得る不適切な行為を理由に降職処分(4段階)に。さらに、別のハラスメント事案でも懲戒休職処分(1か月間)が課されました。フジテレビの人事としてはこれで一区切りと見られていますが、対中居氏を巡る部分では今後、更なる動きがある可能性が指摘されています。

第三者委員会報告書「性暴力」認定とその波紋

フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングス(FMH)フジテレビが設置した第三者委員会は、3月31日付の調査報告書で、中居正広氏と女性A氏とのトラブルについて、世界保健機関(WHO)の定義に基づき「業務の延長線上における性暴力だった」と認定しました。

中居正広氏と山下智久氏のイメージ画像。フジテレビの中居正広氏を巡る問題報道に関連。中居正広氏と山下智久氏のイメージ画像。フジテレビの中居正広氏を巡る問題報道に関連。

中居氏側、強く反論し証拠開示要求

しかし、第三者委員会認定に対し、中居正広氏側の代理人弁護士らは約1か月半後の5月12日、「人権救済」を目的に認定に至った証拠開示などを要求しました。

第三者委員会は当初「開示しない」としましたが、中居氏側は5月23日および5月30日に再び反論文書を提出。「性暴力」という認定は重大な人権侵害であるとして、改めて証拠開示を求めました。

特に5月30日の文書では、第三者委員会調査報告書について「だまし討ち」に等しいと厳しく批判。中居氏自身が報告書に対し「愕然とした」「驚愕した」と述べていることを明かし、さらなる波紋を呼びました。

第三者委員会「これ以上のやり取り差し控える」

これを受けて第三者委員会は6月3日、「貴職らの見解と当委員会の見解の間には、依然として大きな隔たりがあり、埋め難い」との見解を示しました。また、一連のやり取りが女性A氏に二次被害を与える危険性があると指摘。結論として「当委員会は、今後の貴職らとのやり取りを差し控えさせていただくことといたします」とし、これ以上の対応を行わない姿勢を明確にしました。

今後の展開とフジテレビへの影響

第三者委員会は対応を打ち切ったものの、中居正広氏サイドは第三者委員会への追及を続けると見られています。これにより、今後は法廷闘争に発展する可能性も指摘されています。

この問題が長期化する中で、フジテレビへのダメージは深刻化しています。5月16日に発表されたFMHの昨年度決算では、201億円の赤字を計上。フジテレビ単体では328億円の赤字となりました。この中居氏・フジテレビ問題は、金銭的な損失だけでなく、新規のドラマや映画制作にも影響が出ていると言われています。

結論

この一連の騒動は、第三者委員会の「性暴力」認定に対し中居氏側が強く反発し、証拠開示を求める一方、委員会側はこれ以上の対話を拒否するという、平行線の状態が続いています。元幹部への提訴や現役員への処分という局側の動きに加え、法廷闘争の可能性も浮上しており、フジテレビは経営面だけでなく、企業イメージやコンテンツ制作においても厳しい状況に直面しています。今後の展開が注視されます。

参照元

https://news.yahoo.co.jp/articles/b3d30123b8eeaa6613810014746a3267cc8ac5d0