キムタク効果でワークマンフリース争奪戦!980円商品が高騰、転売ヤーに広報部が怒り

国民的スター、木村拓哉さんがテレビ番組で着用した「ワークマン」のフリースジャケットが、放送後たちまち大きな話題を呼び、品切れが続出しています。定価980円という驚きの価格設定にもかかわらず、その着こなしから高級ブランド品にも見えるとSNS上で大絶賛されたこの商品。しかし、その人気に便乗した一部の悪質な転売ヤーによって、価格が数十倍に跳ね上がるという問題も発生しています。ワークマン広報部は、同社の理念に反する転売行為に対し、強い憤りを表明しています。

木村拓哉着用で「ワークマン」フリースが社会現象に

11月20日放送の「秋山ロケの地図」(テレビ東京系)に木村拓哉さんがゲスト出演した際、ロケ中に着用していたフリースジャケットが視聴者の間で注目を集めました。このアイテムは、作業着のイメージが強い「ワークマン」の「ダイヤフリース裏アルミジャケット」で、定価1900円が980円という破格の値段で販売されている商品でした。

放送直後、SNS上では瞬く間に商品が特定され、「980円が9800円くらいに見える」「パッと見Patagoniaかと思った」「この品質をこの値段で売ってるワークマンのコスパにビックリした」といった絶賛の声が相次ぎました。この大反響を受け、翌21日には全国のワークマン店舗に問い合わせの電話が殺到。ワークマン広報部・松重尚志氏によると、開店時間から電話が鳴りやまない状態だったといいます。残念ながら木村さん着用モデルはすでに終売していますが、一部改良された後継モデルを求める声も多く、多くの客が来店しているとのことです。

メルカリで高値で転売される「キムタクフリース」メルカリで高値で転売される「キムタクフリース」

木村さん着用モデルと後継モデルの主な違いは、ファスナー部分のカラーリングなど。後継モデルはタウンユース向けに落ち着いた配色が特徴で、ネイビー、ブラウン、ブラック、オフホワイトの4色が展開されています。ワークマン社にとって、今回の「キムタク売れ」は初の経験であり、全くの想定外の出来事だったようです。

転売ヤー横行で価格高騰、ワークマン広報が怒り

通常、全国の店舗で1日合計1000枚ほどだったフリースジャケットの売れ行きは、放送翌日からおよそ3倍の1日3000枚ほどに急増しました。しかし、追加生産の予定はなく、現在ある在庫が全てのため、店舗によってはすでに品切れになっているところも出てきている状況です。公式オンラインショップではすでに販売が終了しており、入手するには店舗を回るしかないようです。

こうした状況の中、どうしても手に入れたい消費者心理につけ込み、ネットオークションや大手フリマサイトでは「キムタク着用フリースジャケット」などと銘打って、平均5000~6000円という高値で出品する転売ヤーが横行しています。中には、ワークマンのブランド名を伏せ、「木村拓哉着用ジャケット」とだけ明記し、2万5000円もの高値で販売する悪質なケースも出現。「キムタクが着ているならハイブランドに違いない」という消費者の思い込みを利用した、たち悪い行為が確認されています。

ワークマン広報部の松重氏は、転売行為に対し強い怒りを露わにしています。「ワークマンでは、大量に作ることで値段を下げ、できるだけ多くの方にお届けしたいという想いで価格設定をしています。ですから、それを仕入れ値として高値で儲けを得ようとする転売ヤーには怒りの気持ちしかないです。しかも弊社の名前を隠してとなると……」とコメントし、消費者に安価で良質な商品を提供したいという同社の理念が転売によって損なわれていることへの憤りを強調しました。

今回の「キムタクフリース」騒動は、人気芸能人の影響力と、それによって引き起こされる市場の動向、そして転売問題という現代社会の側面を浮き彫りにしました。ワークマンのような企業が追求する「顧客のための価値」が、一部の個人による利益追求によって阻害される現状は、消費者にとっても大きな損失と言えるでしょう。