作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は高市外交と日本に根付く精神性のようなものについて。
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高市早苗総理を見ていると胸がわさわさする。
「マウント取れる服」とか「服装選びに時間がかかった」とか「お肌に悪い」とか……。まさかこの国のリーダーから“そんな話”を聞く日が来るとは……。女性の総理による“女性ならでは”の発言をどう捉えてよいのだろう。
女性の自虐には2つのパターンがある。
ひとつは「女の友情はハムより薄い」系自虐。「女だから嫉妬深い~」「女だから非論理的~」「女は女が嫌いだよ~」など、女の性質や能力を貶めるパターン。女性全体を貶める一方で、「私はサバサバしてるからさ、女らしくないって言われるんだよね」「女友だち、いないんだよね」という方向で男に媚びを売ってしまう女性も少なくない。
そして「女のくせに」系自虐。“女のくせに”「料理苦手~」「掃除苦手~」など聞かれもしないことを敢えて言い、女ジェンダーからいかに自分が外れているかを語りたがる女性も、一定数いる。どちらも、男性社会で女性が「受け入れられるため」に、女性が自らやりがちな振る舞いかもしれない。
高市総理は後者の自虐パターンが骨身に染みついてしまっている人なのだろう。それは高市総理の世代の問題というよりは、日本の女性の病のようなものだ。男社会では、「女は女が嫌いです」というフリをしながら、「女のくせに私って……」と「自虐」をしていれば、男の攻撃から逃れられるものだから。
だけれど、もう、そういうの、やめませんか。せっかく国のリーダーになったというのに、「お肌に悪い……」と言って微笑まなくていいでしょう? それは自民党の中では通用する“笑い”であって、国民に向けてやらないでほしい。ルッキズムを談笑のネタにしないでほしい。
そして中国との関係悪化だ。
高市総理への支持率の高さをみると、「ケンカ上等!」というような気分の日本人が少なくないことを知る。たとえ相手が自分よりも強くても、というか強いからこそ、誇り高く強気に出るべし!というヤンキー的な信念を高市総理に重ねているように見える。というか、そういう“心意気”しかない。そしてそれは恐らく、この国から「戦前・戦中」への想像力が消えてしまったという証しなのだろう。なぜ台湾が台湾なのか。なぜ台湾が、政治的葛藤の中に置かれている島なのか。なぜ台湾は“韓国と違い”親日派であると喧伝されているのか。そういう「歴史」を習ってこなかったつけが、ここに来ているのではないか。






