【ワシントンD.C. 10日 ロイター】 米カリフォルニア州ロサンゼルスで拡大した、移民・税関捜査局(ICE)による移民取り締まりへの抗議活動に対応するため、当時のトランプ米大統領が命じた軍隊派遣の費用は、推計約1億3400万ドル(約209億円)に上るとみられる。これは、国防総省の高官が明らかにしたものだ。派遣部隊の移動費や滞在経費などが含まれるという。
抗議活動の背景と軍隊派遣の命令
ロサンゼルスでは、移民・税関捜査局(ICE)による強制的な移民取り締まりが強化されており、これに対して大規模な抗議活動が頻繁に発生していた。デモ隊と当局との間での緊張が高まる中、当時のトランプ大統領は連邦政府の施設や職員の安全を確保する必要があると判断し、軍隊の派遣を命じた。この命令は、国内での治安維持活動における軍の役割について議論を呼んだ。
派遣部隊の規模と推定される費用
国防総省の会計監査官を務めるブリン・マクドネル氏は10日、議員団に対し、この軍隊派遣にかかる総費用が推計約1億3400万ドルになるとの見通しを示した。マクドネル氏の説明によると、この費用には、派遣された計4700人(州兵4000人、海兵隊員700人)の部隊に対する重要な経費、具体的には長距離移動にかかる輸送費、滞在中の宿泊費、および日々の食費などが含まれている。国防総省は、これらの部隊は主にロサンゼルス市内の連邦政府関連施設や職員の保護を目的として派遣されたと説明している。
米ロサンゼルス、移民取り締まりへの抗議活動で警備にあたる州兵と警察官たち
まとめ
今回のトランプ政権によるロサンゼルスへの軍隊派遣は、移民政策を巡る国内の分断と緊張の高まりを象徴する出来事であり、その対応にかかる費用が推計1億3400万ドルに達することが明らかになった。この多額の費用は、抗議活動への対処がいかに大きな財政的負担を伴うかを示している。
参考: https://news.yahoo.co.jp/articles/b01b9ad12ed08da59f1f85dbf6e771bb971aa408