【AFP=時事】ギリシャ北東部でハイカーがクマに渓谷に突き落とされて死亡した事件を受け、野生動物の専門家は10日、クマの行動は防衛反応だった可能性があるとの見方を示した。
ギリシャ国立救急治療センター(EKAV)がAFPに明らかにしたところによると、ベテランハイカーのクリストス・スタブリアニディスさんの遺体は、フラクトスの森にある深さ800メートルの渓谷で発見された。
一緒に森にいた、同じくベテランハイカーの男性はニュースポータルNewsITに対し、2人が9日、クマに襲われた時の様子を説明。
「突然、クマを目にした。クマは私に襲いかかってきた」「私の犬が数秒間、クマの攻撃を遅らせ、その間、私が催涙スプレーを使うと、クマは友人に向かっていき、谷に突き落とした」と話した。
クマの保護区を運営している野生動物グループ「Arcturos」の広報担当者、パノス・ステファノス氏はERTテレビに、クマのこの時の行動は「防御的なもので、攻撃ではない」と説明。「脅威と見なしているものを押し返そうとしている」との見方を示した。
スタブリアニディスさんは昨年8月、1950年代に同地域で墜落したギリシャ軍機の残骸を深い森の中で発見。より多くの人々が現地に足を運べるよう、アクセスしやすいルートを特定する取り組みを主導していた。【翻訳編集】 AFPBB News