石破総理、玉木代表の「現金給付」質問に「検討ない」 党首討論で税収上振れ巡り応酬

6月11日午後、石破総理は国民民主党の玉木雄一郎代表らとの党首討論に臨みました。この討論で、特に注目されたのが「税収の上振れ分を使った国民への現金給付」に関するやり取りです。玉木代表は、政府・与党が検討しているとされる現金給付について石破総理の認識を問いただしました。

「また現金配るんでしょうか?」玉木代表の先制パンチ

玉木代表は冒頭、「総理、また現金配るんでしょうか?」と“先制パンチ”を繰り出しました。続けて、報道されている「与党が税収の上振れ分を使って選挙前に3万円から4万円の現金給付を決める」との情報について、石破総理に事実関係を問いました。これに対し石破総理は、「そのような報道は承知しているが、政府の中でそれを検討したということはない」と回答しました。

国民民主党 玉木代表、党首討論で石破総理に税収上振れ分の現金給付について質問国民民主党 玉木代表、党首討論で石破総理に税収上振れ分の現金給付について質問

「財政厳しい状況に変わりない」石破総理の財政規律論

玉木代表は、石破総理の「今は税収の上振れ分を国民に戻すような財政状況にはない」という認識に変わりがないかを確認しました。石破総理は「財政が厳しい状況に全く変わりはない。新たに対策として新規に国債を発行し、今でもよろしくない財政をこれ以上悪化させることについては、私自身、本当に厳粛に考えるべきものだと考えている」と述べました。玉木代表は、石破総理の発言が「ぶれている」と指摘し、改めて「政府として、今後も税収の上振れ分を還元する形で現金給付することはないと明言できるか?」と迫りました。

石破総理が「政策としていろいろな選択肢があるのだろうと思っている」と答えると、ヤジが飛びました。石破総理は即座に「ただし」と制し、「恒久的な財源をどう考えるか。税収が上振れた時はいいが、下振れたらどうするということも合わせて考えていかねばならない。上振れた時はそれでいいとしても、下振れた場合にはその分をどこかカットしなければ、それは論理として辻褄が合わない。私どもとして、赤字国債をこれ以上発行を増やすということは選択肢として取り得ない」と説明しました。玉木代表は呆れた表情を見せ、「単年度でも税収の上振れ分を国民に還元するような財政状況にはないという認識か?」と再度質問。石破総理は「現在、そのような財政状況にあるとは認識していない」と答えました。

与党の検討報道に「よく話を聞かねば」と回答、笑いも

さらに玉木代表は、「自民党・公明党で幹事長や国対委員長が税収の上振れ分を使った現金給付を検討しているという報道があるが、政府、石破内閣としてはそういうことはしないということか」と問いました。これに対し石破総理が「それは与党からよくお話を聞いてみなければならない」と答えると、場内には笑い声が上がりました。

しかし石破総理はすぐに「つまり」と話を続け、「与党としても、いかにして財政の規律を守っていくのかということは常に与党であればこそ強く認識をしている。これから先、与党からいろいろな提案があった時に、政府として本当に真剣な議論をしながら、それがばら撒きとかそういうことにならないように、高所得者優遇にならないように、そしてきちんとした財政の健全化に資するような形で政策というものが形成されるものだと考えている」と述べ、政府としての慎重な姿勢と検討プロセスを強調しました。

今回の党首討論は、税収上振れ分の使い道を巡る政府と野党の間の認識の違い、そして与党内の動きと政府の公式見解の間の微妙な関係性を浮き彫りにしました。石破総理は財政規律の重要性を繰り返し強調しつつも、与党からの提案については今後の議論次第であるとの立場を示しました。玉木代表は政府の明確な方針表明を求めましたが、現時点での明言は得られませんでした。このやり取りは、今後の財政運営や経済対策を巡る議論に影響を与える可能性があります。

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