NHK、ネット業務費大幅削減へ 総務省要請受け、再検討





NHK放送センター=東京都渋谷区(古厩正樹撮影)

 NHKがテレビ番組を放送と同時にインターネットでも配信する常時同時配信について、その費用にあたるネット活用業務費を大きく削減する方針を固めたことが28日、関係者の話で分かった。

 NHKが総務相に認可申請しているネット活用業務実施基準案では、その費用を受信料収入の2・5%(受信料収入が7千億円の場合、約175億円)以内に維持。一方で、来年の東京五輪・パラリンピックや国際放送のネット配信業務など4項目(最大90億円)について「公益性が高い」として、別枠としていた。

 この4項目を加えると、受信料収入の約3・8%に上ることになる。このため、NHKの肥大化を懸念する総務省が見直しを要請。これを受け、NHKは実施基準案について再検討し、方針転換する格好だ。

 関係者によると、別枠とするのは、東京五輪・パラリンピック関係(最大20億円)のみで、ほかの3項目(最大計70億円)については、総務省の要請に沿って除外する方向で調整しているという。

 さらに、常時同時配信の開始にあたって、総務省は受信料のあり方や衛星放送のあり方など一層の経営改革も求めている。これに対し、NHKはより踏み込んだ経営改革の方策を検討しているとみられる。

 ただ、総務省が回答期限としているのは12月8日で、それまでに予算の大幅圧縮を具体的に盛り込んだ修正案を示せるかギリギリの状況となっている。



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