第48回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞し、大きな話題となった映画「侍タイムスリッパー」が、時代劇専門チャンネルにてテレビ初放送されることが決定しました。2025年6月14日(土)19:00からの放送を皮切りに、本作がついにご家庭で視聴可能となります。このテレビ初放送を記念し、特別番組や関連作品の特集も企画されています。
単館上映から驚異的な拡大、そして日本アカデミー賞の栄冠へ
本作は、幕末の侍が現代の時代劇撮影所にタイムスリップし、「斬られ役」として第二の人生を歩む姿を描くタイムスリップ時代劇です。東映京都撮影所が特別協力しており、自主制作ながら安田淳一監督の時代劇への深い愛情と情熱が多くの人々の心を動かし、異例のヒットを記録しました。「5万回斬られた男」として知られる伝説的な斬られ役、福本清三さんへのリスペクトやオマージュも作中に織り込まれており、全体を通して作り手の時代劇への思いが深く感じられます。
時代劇作品そのものだけでなく、その制作現場や作り手たちに焦点を当てることで、新しい形の時代劇ファン層を開拓し、ブームの火付け役ともなりました。東京・池袋シネマ・ロサでの単館上映からスタートしたにも関わらず、口コミやメディアの注目によって全国380館を超える劇場で公開されるまでに拡大。公開後も数々の映画賞を受賞し、2025年3月に開催された第48回日本アカデミー賞では、栄えある最優秀作品賞と、安田監督自身が最優秀編集賞を受賞するという快挙を成し遂げました。
「侍タイムスリッパー」主演、山口馬木也演じるタイムスリップした侍、高坂新左衛門
主演・山口馬木也をはじめとする個性豊かなキャスト陣
主演を務めるのは、数々の時代劇で活躍してきた山口馬木也です。藤田まこと主演「剣客商売」シリーズの秋山大治郎役や、松本幸四郎主演「鬼平犯科帳」シリーズの岸井左馬之助役など、重要な役どころを演じてきた彼が、現代にタイムスリップしてきた幕末の侍・高坂新左衛門を熱演しています。
また、多くの時代劇を支えてきたベテラン俳優、冨家ノリマサが、新左衛門の物語において重要な対峙する存在として出演。さらに、斬られ役一筋60年のキャリアを持つ峰蘭太郎が、新左衛門の師となる殺陣師役として登場するなど、時代劇ファンにはお馴染みの顔ぶれが脇を固めます。沙倉ゆうのら、個性豊かなキャスト陣が物語を彩り、作品世界を盛り上げています。
「侍タイムスリッパー」あらすじ
物語の舞台は幕末の京の夜。会津藩士である高坂新左衛門（山口）は、家老から密命を受け、長州藩士を討つべく暗闇に身を潜めていました。両者が名乗り合い、刃を交えたその瞬間、激しい雷鳴が轟き、新左衛門は意識を失います。
やがて目を覚ますと、そこは見慣れない場所。そこは現代の時代劇撮影所でした。現代社会の状況に戸惑い、行く先々で騒ぎを起こしながら、自分が守ろうとした江戸幕府がとうの昔に滅んでしまった事実を知り、新左衛門は愕然とします。一度は死を覚悟しますが、心優しい現代の人々に助けられ、少しずつ立ち直っていきます。「我が身を立てられるのはこれのみ」と、培ってきた剣の腕だけを頼りに生きることを決意した新左衛門は、“斬られ役”として生きていくため、撮影所の門を叩くのでした。
ヒットの裏側を語る特別番組と関連作品特集
本編のテレビ初放送後には、時代劇専門チャンネルオリジナルの特別番組『奇跡の軌跡を大放談！「侍タイムスリッパー」しゃべりすぎ座談会』が放送されます（7月5日放送回を除く）。この番組には、主演の山口馬木也、冨家ノリマサ、沙倉ゆうの、そして安田淳一監督の4名が出演。作品が単館上映から日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞に至るまでの「奇跡の軌跡」について、ヒットした今だからこそ話せる制作の苦労話や撮影秘話、裏話などを、他のキャストやスタッフからの証言も交えながら、文字通り「しゃべりすぎ」るほど大放談します。
時代劇専門チャンネルの特別番組『しゃべりすぎ座談会』出演者たち（山口馬木也、冨家ノリマサ、沙倉ゆうの、安田淳一監督）
さらに、「侍タイムスリッパー」のテレビ初放送を記念した2カ月連続企画も実施されます。6月から7月にかけて、山口馬木也や冨家ノリマサのこれまでの時代劇出演作や、山口が出演した舞台作品、二人が共演した作品など、多岐にわたる関連作品が特集放送されます。本作に影響を与えた時代劇作品も含まれており、「侍タイムスリッパー」をより深く楽しむための貴重な機会となるでしょう。
まとめ
映画「侍タイムスリッパー」の時代劇専門チャンネルでのテレビ初放送は、日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞という輝かしい実績を持つ作品が、より多くの視聴者に届けられる絶好の機会です。幕末の侍が現代で「斬られ役」として奮闘するというユニークな設定、時代劇への深いリスペクト、そして俳優たちの熱演が魅力の本作。テレビ初放送と合わせて放送される特別番組や関連作品特集は、作品の舞台裏や時代劇の魅力をさらに掘り下げてくれるでしょう。時代劇ファンはもちろん、これまで時代劇に馴染みがなかった方にも、ぜひこの機会にご覧いただきたい作品です。
