旧ジャニーズ事務所(現・SMILE-UP.)前社長の藤島ジュリー景子氏への47時間インタビューをまとめた書籍「ラストインタビュー 藤島ジュリー景子との47時間」(新潮社)が、2025年7月18日に発売されることが決定しました。この本では、早見和真氏による計47時間に及ぶロングインタビューに基づき、旧ジャニーズ事務所の内情や藤島氏自身の半生、そして性加害問題に対する「胸の内」が初めて明かされており、その冒頭部分約50ページが新潮社の公式サイトで先行公開され、注目を集めています。
書籍「ラストインタビュー」の概要
本書は、ミステリー小説などで知られる小説家、早見和真氏がインタビュアーを務め、藤島氏に計47時間という異例の長さのインタビューを実施した記録です。新潮社のプレスリリースでは、「旧ジャニーズ事務所の内情と彼女自身の半生を明かす肉声を記した一冊」と説明されています。書籍の内容紹介では、性加害問題で批判を浴び、社長を辞任した藤島ジュリー景子氏がいま何を思うのかに焦点を当てていることが示されています。「嵐」との出会いから活動終了、叔父であるジャニー喜多川氏のこと、母メリー喜多川氏との確執、そして事務所の廃業に至るまで、これまで語られなかった思いが収録されているとのことです。
新潮社公式サイトで公開された冒頭部分
新潮社の公式サイトでは、書籍刊行に先立ち、本文冒頭約50ページが6月10日に先行公開されました。この公開部分には、2023年10月2日に行われた会見で藤島氏によって読み上げられた、創業者であるジャニー喜多川氏の性加害に対する謝罪の手紙全文が掲載されています。また、書籍全体の目次、序章、そして第一章が含まれており、本書の構成や内容の一部を知ることができます。
旧ジャニーズ事務所元社長、藤島ジュリー景子氏の記者会見での様子(2023年9月7日撮影)
第一章で明かされた現在の心境
公式サイトで公開された第一章では、早見氏が、ジャニー氏の性加害問題が大きく報じられるようになってからの藤島氏の心境や、それによる生活の変化について詳細に質問しています。藤島氏自身は、メディアで何が報じられているのか「急に何が出てくるかわからない」という状況から、テレビを見たり雑誌を読んだりすることができない状態が続いていると明かしました。また、現在の自身の周りで、心を許せる存在は会社の人物2人と娘を合わせた3人程度であるとも述べています。
さらに、2023年9月7日に自身が登壇した記者会見に関する具体的な状況についても言及しています。会見の直前にRSウイルスに感染し、肺炎を患って入院していたことを告白。会見にはステロイドを服用しながら臨んだといいます。しかし、その時の会見の様子は一度も見返しておらず、「これからも絶対に見られない」という心境を語りました。
いま声を上げようと思った三つの理由
早見氏からの「なぜいま声を上げようとされているんですか?」という問いに対し、藤島氏は自身の考えとして、主に以下の三つの理由を挙げています。
- 性加害問題における被害者に対する補償の枠組みが整ってきたこと。
- 自身の心と頭の整理がある程度出来てきたこと。
- 自身の娘や会社の社員たちが、この問題に関連して「いじめられるのは違う」と感じたこと。
この書籍は、これまで公の場で深く語ることが少なかった藤島ジュリー景子氏が、自らの言葉で過去の出来事や現在の心境、そして問題への向き合い方を詳細に語る初めての試みとして、多くの関心を集めています。2025年7月18日の発売に向け、先行公開された冒頭部分からその内容の一部が明らかになり、旧ジャニーズ事務所を巡る議論に新たな視点を提供する可能性が示唆されています。