備蓄米放出遅延でスーパー困惑 在庫膨らみセールも 米価への影響は?

政府が備蓄米の放出を急いでいますが、契約済みの多くの店舗で入荷が見込めない状況です。一体何が起きているのでしょうか?そして、高止まりしている米の価格は今後下がるのでしょうか?小売現場の混乱と備蓄米を巡る現状を取材しました。

備蓄米が届かずスーパー困惑 農水省の処理能力に限界か

大阪市のスーパーサンコーは、先月30日に2021年産備蓄米40トンを申請しましたが、6月12日現在も未入荷。西野佳道社長は「5日確定メールから返事がなく、いつ納品されるか不明」と困惑。「農水省へ問い合わせても『待って』の一点張りで、おそらくパンク状態」と見ている。販売時期が読めず、11日に開始された追加契約申請は見送りを決定しました。

スーパーサンコーの西野佳道社長。備蓄米の遅延に困惑する様子を語る。スーパーサンコーの西野佳道社長。備蓄米の遅延に困惑する様子を語る。

安い備蓄米を待つ「買い控え」で銘柄米の在庫が急増

備蓄米遅延に加え、店舗には1000袋超の銘柄米在庫が。西野社長「この2週間で消費者『買い控え』が進み在庫膨張」。これまでは米の価格が高くとも多少は売れたが、大手小売りなどで安い備蓄米が登場後、銘柄米購入客が激減しました。

スーパーのバックヤードに高く積まれた銘柄米の山。備蓄米待ちによる消費者の買い控えの影響。スーパーのバックヤードに高く積まれた銘柄米の山。備蓄米待ちによる消費者の買い控えの影響。

在庫解消へ「原価ギリギリ」のセール実施 今後の米価は?

備蓄米到着後のさらなる買い控えを予想し、スーパーサンコーは在庫解消へ銘柄米値引きセール」へ。滋賀県産コシヒカリ5キロを税抜き3999円(通常4799円)に。「備蓄米40トン前に銘柄米さばかねばと原価ギリギリ」と社長。売れ行き次第でさらなる値引き価格下げ)もあり得ると示唆しました。

スーパーの店頭に並べられたセール中の銘柄米。価格表示とセールPOP。スーパーの店頭に並べられたセール中の銘柄米。価格表示とセールPOP。

備蓄米の放出遅延と消費者の買い控えによる銘柄米の在庫増加は、小売現場を圧迫しています。政府の放出プロセスがスムーズに進めば状況は改善される可能性はありますが、現時点では米の価格全体が大きく下がるかどうかは不透明な状況が続いています。

参考:Yahoo!ニュース (朝日放送テレビ)