インド西部アーメダバードで12日に起きた英ロンドン行きのエア・インディア機の墜落で、乗員・乗客242人のうち唯一助かったとみられる英国人男性は、英国在住の家族に電話で「どうやって飛行機から脱出したのかまったくわからない」と報告した。複数の英メディアが報じた。
◇座席は非常出口のすぐ後ろ
英紙ガーディアンなどによると、男性はインド生まれの40歳で、20年前から英国に住む。インドにいる家族の元を訪れ、兄と一緒に英国に戻るため墜落機に乗った。機内前方左側の非常出口のすぐ後ろにある窓側の座席「11A」に座っていたという。同じ便に乗っていた兄は行方不明だとも家族に伝えたという。
ソーシャルメディアに投稿された動画には、流血したこの男性らしき人物が、近くで黒煙が上がる中、歩いて救急車に向かっているとみられる様子が映っている。男性は搬送先の病院で、インドのシャー内相と面会した。
英中部レスターで英メディアの取材に応じた男性の弟は「私たち家族は本当に打ちひしがれている」と語った。
エア・インディアによると、墜落機の乗員・乗客242人のうち、生存者は1人だった。【ロンドン福永方人】