【AFP=時事】インド西部グジャラート州アーメダバードで12日に墜落した国営航空会社エア・インディア(AI)の事故で、乗客乗員242人のうち唯一の生存者となった英国籍の男性、ビシュワシュ・クマール・ラメシュさん(40)が13日、病院のベッドで奇跡の脱出について語った。
ラメシュさんはインド国営DDニュースにヒンズー語で応じ、火の玉のような爆発から奇跡的に生還したことについて「すべてが目の前で起きたが、私自身もどうやって生き延びたのか信じられない」と述べた。
墜落したのはアーメダバード発、英ロンドン・ガトウィック空港行きのボーイング787-8ドリームライナー、AI171便。長距離飛行のために燃料を満載して離陸した直後、オレンジ色の炎に包まれて爆発した。
乗客乗員241人に加えて、地上でも少なくとも24人が死亡。座席「11A」に座っていたラメシュさんだけが生還した。ラメシュさんのきょうだいも同便に搭乗していた。
「離陸から1分もしないうちに突然、引っかかったような感じがして、何かが起きたと思った途端、機体の緑と白のライトが点灯した」
「その後、機体が加速したように感じ、真っすぐ向かった先にあったのが病院の宿舎だった。衝突したとき、すべてが目の前に見えた」
家族に取材した英PA通信によると、ラメシュさんは英レスター市出身。
インドのナレンドラ・モディ首相は13日、やけどなどの治療を受けているラメシュさんを見舞った。
■「自分も死ぬと思った」
墜落機は空港周辺の建物に激突した。「最初は自分も死ぬと思ったが、目を開けてまだ生きていることに気づいた」
「目の前には乗務員や年配の男性、女性たちがいた」「シートベルトを外して逃げようとした。そして脱出した」とラメシュさんは語った。
「自分がいた側は、宿舎の方ではなかったと思う。着地した場所は地面に近く、スペースもあった。近くのドアが壊れ、スペースが見えたので、そこから抜け出せると思った」