6月15日は父の日です。日本の皇室においても、天皇陛下と秋篠宮さまはそれぞれご家庭で父親としての顔をお持ちです。愛子さま、佳子さま、悠仁さまといったお子さまたちのご発言から、普段あまり知られることのない皇室の方々の父としての素顔を探ります。対照的な父像が見えてきます。
天皇陛下:「愛ちゃん」呼び、自らカメラも回す「子煩悩パパ」
天皇陛下は、国民の間で大変な「子煩悩」として知られています。2002年の愛子さまご誕生に関する記者会見で、陛下ご自身が愛子さまを「愛ちゃん」とお呼びになっていることを明かされました。雅子さまもまた、陛下が「大変子供のことを可愛がっていらっしゃるので、子供のほうもお父さま大好きで大変なお父さまっ子でございます」と語られていました。
父娘の触れ合いで特に記憶に残るのが、2004年に宮内庁が公開した陛下の撮影されたホームビデオです。当時2歳の愛子さまが、絵本を陛下に向け読み聞かせごっこをする中で、突然「パパも!」と音読を促される可愛らしい様子が収められています。陛下が思わず「はい。うふふ」と照れたように笑う声も聞こえ、多くの国民に微笑ましい光景として今なお鮮明に記憶されています。
20年以上が経過した現在も、天皇陛下と愛子さまの親密なご関係は続いています。例えば、2024年の那須ご静養では、愛子さまがタケノコ掘りをされる姿や、ご一家でのサイクリング写真など、プライベートな様子が話題となりましたが、これらの写真の一部は天皇陛下ご自身が撮影されたものです。公開された写真21枚のうち、7枚が陛下による撮影と発表されています。宮内庁によると、陛下は雅子さまや愛子さまの牧場での様子を収めようと、何度もカメラを構えられたといいます。愛娘に向けられるその温かいまなざしは、これからも変わることはないでしょう。
秋篠宮さま:「導火線が短い」と語られた「厳しい父」の一方で
一方、秋篠宮さまについては、お子さまたちから「厳しい父親」としての一面が語られています。眞子さんは2011年の成年会見で、秋篠宮さまを「昔は全般的によく怒る」としつつも、「厳しくしつけてくれたことに感謝しております」と述べられました。特に「導火線が少々短いところがあった」との言葉は印象的で、ユーモアを交え「エピソードがあり過ぎてちょっと絞れません」と語られたほどです。
眞子さんのこの発言以降、「導火線」は秋篠宮ご一家の話題でたびたび触れられるキーワードとなりました。2014年の成年会見では、佳子さまもご自身の短所を「父と同じように導火線が短い」とし、家での口論を明かされています。
また、2025年の成年会見に臨まれた悠仁さまは、秋篠宮さまの「導火線」について記者に問われ、「以前よりは、幾分か丸くなったといいますか、と思います」とお話しになりました。悠仁さまはさらに、秋篠宮さまがスクランブルエッグ作りや掃除にこだわる几帳面な一面や、ご自身が父よりも空間認識が良いと感じていることなど、日常のエピソードも披露されています。「厳しい」イメージがある一方で、お子さまが具体的な日常のエピソードを語れる距離感があることがうかがえます。
秋篠宮さま、幼い悠仁さまの手を引き幼稚園へ向かわれる(2006年6月)
天皇陛下と秋篠宮さま、お二方の父親としての姿は対照的といえます。国民に親しまれる「子煩悩」な一面を持つ陛下と、お子さまが時に厳しさを語る秋篠宮さま。しかし、それぞれのお子さまが飾らない言葉で父親との思い出や日常を語れることは、お二方がお子さまと確かな絆を築かれている何よりの証といえるでしょう。