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スタートエンターテイメント社長の福田淳氏。就任から半年での退任報道。(「スピーディ」公式サイトより)]
6月13日、旧ジャニーズ事務所から移行した株式会社STARTO ENTERTAINMENT(スタートエンターテイメント)の福田淳社長が、6月末の任期満了をもって退任する方向で調整が進んでいることが報じられました。このトップ交代は、同社の今後の運営方針に大きな影響を与える可能性があります。
福田氏がスタートエンターテイメント社の社長に就任したのは、ジャニー喜多川氏の性加害問題を受けた旧ジャニーズ事務所の改革の一環として、2023年12月のことでした。旧事務所は、被害者補償などをおこなう株式会社SMILE-UP.と、タレントのマネジメントを担うスタートエンターテイメント社に分割されました。福田氏は、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント元代表で、アニマックスやAXNの立ち上げに関わり、のん氏(能年玲奈)とのエージェント契約でも手腕を見せるなど、そのマネジメント能力が高く評価され、タレント部門のトップに抜擢されました。就任後、福田氏は所属タレントのグループ再編に着手しました。
新たな代表取締役には、元フジテレビ専務で元テレビ西日本社長の鈴木克明氏が最終調整中と報じられています。しかし、スタートエンターテイメント社は福田氏の去就について、公式サイトで「その方向で最終要請しているが、決定ではない」という留保付きの文書を掲載しており、正式決定には至っていません。
トップの交代が進めば、スタートエンターテイメント社は必然的に新たな方針を打ち出すことになります。しかし、旧ジャニーズ時代からの多くのファンは、福田体制下でおこなわれたタレントのグループ再編に対し、SNS上で強い批判や不満を表明し続けています。特に大きかったのは、2024年3月末でのKAT-TUNの活動の一区切り(実質的な解散と受け止められた)、そして旧ジャニーズJr.のグループ再編でした。
ジュニアの再編では、「美 少年」「HiHi Jets」「7 MEN 侍」といった人気グループが解散し、「少年忍者」のメンバーも巻き込んで大規模なシャッフルがおこなわれ、「ACEes(エイシーズ)」「KEY TO LIT(キテレツ)」「B&ZAI(バンザイ)」の3つの新グループに再編成されました。しかし、この再編はファンの間で酷評の嵐を巻き起こしました。さらに、KAT-TUNの「解散」がファンクラブ限定配信のみという形式でおこなわれたことに対しても、熱狂的なファンは「会社主導だった」として、現在も怒りを表明し続けています。
X(旧Twitter)上には、「KAT-TUN 返してくれ」「社長かわるのね。KAT-TUN の未来も変わってたかもね」といった福田体制への“怨嗟の声”が溢れています。新社長候補に元テレビ局役員が挙がっていることについても、「KAT-TUN、ジュニア返してほしい テレビ局役員にいいイメージなくて怖い。タレントや事務所を大切にしてくれる人であってほしい」といった不安や、「KAT-TUN 再開 のために 会社まるごと 変えよう 一旦全部戻そうか」といった、過去の状態に戻してほしいという強い願望が見られます。
しかし、芸能記者は「誰が社長になっても旧ジャニーズ事務所が芸能界で絶大な力を持った時代には、戻れないでしょう」と指摘します。ジャニー喜多川氏による性加害問題の根本原因が、こうした歪な権力構造にあり、それが長年問題が“無視され続けてきた”背景にあるからです。透明性のある、いわゆる「普通の会社」になることが求められています。その上で、「所属するアイドルを応援するファンを、どれぐらい満足させられるかは別の話です。ファンが納得していればもっと惜しむ声もあったはずです」と述べ、今後の課題は新体制がファンとの信頼関係をどう築き、満足度を高められるかにあると示唆しました。新社長に期待が集まるところですが、その道のりは平坦ではなさそうです。