韓国 李在明大統領のG7デビュー:米専門家が強調する「同盟最優先」の重要性

韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が15~17日にカナダで開催される主要7カ国(G7)首脳会議で国際外交舞台に公式デビューを迎えるにあたり、新政権の外交路線に対する米日などの懸念を払拭する必要があるとの助言が専門家から寄せられている。特に、「実用外交」を標榜する李大統領は、米国との同盟を最優先とし、これを強化する明確な意思を示すべきだという。

元駐韓米国大使代理を務め、米国務省東アジア太平洋担当首席副次官補も歴任した、米国内で代表的な「知韓派」として知られるエバンス・リビア氏が、中央日報とのインタビューでこのような見解を明らかにした。リビア氏は、李氏が追求する「実用外交」の意味がまだ不明確な状況下で、米国との同盟を最優先とし、これを強化するための措置を取る準備ができていることをはっきりと示すべきだと強調した。

李在明大統領とドナルド・トランプ大統領の会談李在明大統領とドナルド・トランプ大統領の会談

リビア氏は、韓国戦争(朝鮮戦争)の際、米国が大韓民国の主権を守るために戦ったのに対し、中国は韓国を攻撃した最後の国であるという歴史的事実を指摘し、韓国が中国ではなく米国側に立っていることを、米中双方とも十分に認識していると述べた。

最近、米国ホワイトハウスが韓国大統領選挙の結果について言及した際に、「中国の介入と影響力行使を懸念する」という立場を示したことに対し、リビア氏はこれを「不適切だった」と評しながらも、ワシントンではトランプ政権と李在明政権の間で生じうる路線の違いの一つが「中国に対する見解の違い」になるかもしれないという懸念が存在すると伝えた。このため、李氏は新政権発足の早期段階で、米国に対し中国と台湾に対する自身の立場を明確にしておくことが重要だと助言した。

G7会議:外交ビジョン提示と懸念払拭の機会

リビア氏は、G7会議は李大統領にとって自身の外交目標と優先順位を説明する最適な機会であり、特に米国や日本など、韓国政府の将来的な方向性に対して懸念を抱く国々を安心させる機会としなければならないと述べた。

G7招待国としての参加にあたり、李大統領が重点を置くべき点として、リビア氏は以下の5つを提案した。

  1. 同盟国の首脳たちと親密な関係を構築し、個人的な連帯関係を築くこと。
  2. 韓国がG7の優先順位を共有しているという点を確信させること。
  3. G7加盟国との緊密な協力を強化するという意志を示すこと。
  4. 李在明政権の外交政策、国家安保、経済・貿易政策のビジョンを伝えること。
  5. 米国・日本首脳との会談で、中核的な同盟関係の重要性を強調し、突発的な状況を避けるという決意を再確認すること。

さらに、リビア氏はG7会議を契機に李氏がトランプ大統領と会談する機会があれば、より一層強力な米韓パートナーシップの必要性を強調し、両国同盟が米国の利益に合致する理由を明確に説明する必要があると助言した。

まとめ

李在明大統領の国際舞台での最初のデビューとなるG7会議は、その「実用外交」が同盟国にどのように受け止められるかを試す重要な機会となる。エバンス・リビア氏の助言は、李氏が米国や日本といった主要な同盟国の懸念を払拭し、特に中国問題における明確なスタンスを示すこと、そして米韓同盟の重要性を再確認することの必要性を強く示唆している。G7での李大統領の外交活動は、今後の米韓関係、日韓関係、そして東アジア情勢の行方を占う上で注目される。


参考文献:

中央日報のインタビューに基づく記事