東京都議選 石丸伸二氏率いる「再生の道」、大量擁立も「台風の目」にならず 世論調査で低支持率

6月22日に投開票が迫る東京都議会議員選挙が、13日に告示された。定数127に対し、295人が立候補を届け出た。今回の都議選において注目を集める一角が、昨年7月の都知事選で165万票を獲得し次点となった石丸伸二氏(42)が率いる地域政党「再生の道」である。同党は今回、42人の候補者を擁立した。都議選の「台風の目」となるのでは、との見方もあったが、現在のところ大きな動きは見られていない状況だ。

再生の道:最多タイの候補者数とその期待

石丸氏が今年1月に都議選を見据えて設立を発表した「再生の道」は、候補者をオーディション形式で選考した。今回が初めての選挙戦となり、42人という大人数を擁立している。この候補者数は、現在の都議会第1党である自民党と同じく最多であり、都議会第1党への返り咲きを目指す都民ファーストの会(小池百合子都知事が特別顧問)の26人をはるかに上回る。この大量擁立により、「再生の道」が都議選の情勢を大きく動かす「台風の目」となる可能性が指摘されていた。

最新世論調査に見る現状

しかし、再生の道には期待されたような大きな風は吹いていない、というのが政治部記者の見立てだ。「べた凪と言ってもいいほど」と表現されるほど、情勢に大きな影響を与えていないとされる。読売新聞が6月16日付で報じた世論調査によると、政党別の投票先では自民党がトップの20%、都民ファーストの会が10%、国民民主党と立憲民主党が7%、公明党と共産党が4%と続く中、「再生の道」はわずか2%に留まっている。共同通信の同日の世論調査でも、自民党16%、立憲民主党と共産党が11%、都民ファーストの会10%、国民民主党6%、公明党5%に対し、「再生の道」は3%という結果が出ている。他紙の調査でも同様の低い支持率となっている。

低迷の要因は何か

このような低支持率の要因として、再生の道が党としての統一公約を掲げていない点が挙げられる可能性がある。候補者個人の訴えはあっても、政党として選ばれる明確な理由が見えにくいという側面があるかもしれない。

SNS戦略の光と影

都知事選でSNS戦略を駆使し「石丸旋風」を巻き起こした石丸氏は、今回の都議選でも候補者オーディションの様子をYouTubeで配信するなど、ネットメディアを活用した選挙活動を展開している。オーディション動画50本の総再生数が585万回に達したことを「快挙」と評価しつつも、東京都民の視聴者が全体の22%に過ぎず、1選挙区あたり500弱にしかあたらないことから「ネットメディアの限界」にも言及していた。その後、YouTubeチャンネル「再生の道」には街頭演説や候補者紹介など190本の動画が追加された(6月16日現在)。動画数は4倍近くになったが、総再生数は976万回と2倍にも満たない増加率となっている。SNSでの注目が、必ずしも東京都民への直接的な支持拡大に繋がっていない現状がうかがえる。

東京都議会議員選挙に立候補した石丸伸二氏東京都議会議員選挙に立候補した石丸伸二氏

まとめ:「再生の道」の今後の行方

東京都議会議員選挙において、「再生の道」は最多タイとなる42人の候補者を擁立し、選挙戦に臨んでいる。しかし、告示直後の各種世論調査では、現時点での政党支持率は伸び悩んでおり、当初期待された「台風の目」とはなっていない現状が明らかになった。SNSを活用した選挙戦略にも限界が見られる中、残りの選挙期間で支持を拡大できるかどうかが注目される。

参考資料:
https://news.yahoo.co.jp/articles/94e05478526190c5af3f6ca5b7588fa9f872d8bd