萩生田光一氏事務所のX「誤爆」騒動と深田萌絵氏との名誉毀損争い

〈当該担当者については、アカウント管理業務から外し、専門医の受診をさせた上、しばらく休養させる措置を講じます〉

自民党の萩生田光一議員(61)の事務所の公式Xアカウントは、不適切な投稿が炎上した後、このような説明を発表した。この騒動は、実業家でSNS等で活動する深田萌絵氏との間のトラブルに端を発している。

自民党の萩生田光一氏 事務所のXアカウント「誤爆」で注目集まる自民党の萩生田光一氏 事務所のXアカウント「誤爆」で注目集まる

深田萌絵氏による批判と萩生田氏側の対応

深田氏を巡っては、インターネット上で萩生田議員を批判する内容のチラシを配布したとされている。SNSなどで拡散されたチラシには、萩生田氏の顔写真とともに「LGBT法案反対を強行突破」「笹川LGBTトイレ推進」といった文言が記されていたという。これに対し、萩生田氏側は度重なる誹謗中傷があったとして、名誉毀損罪での刑事告訴に踏み切ったとXアカウントで表明した。

一方、深田氏は、衆院選で萩生田氏と同じ東京24区からの出馬を宣言した直後に刑事告訴されたと主張。「警察を使った選挙妨害は許されない」と動画で非難の声明を公表している。

事務所アカウントによる「誤爆」とその波紋

事態が動いたのは6月2日。萩生田事務所のXアカウントが、問題のチラシ画像を添付し「こんなチラシ配布を扇動することが、果たして正当な『言論の自由』だと言えるのでしょうか?」と投稿した。これに対し、ある一般ユーザーが「裏金は正当なの?慣例がされてたから、常態化してたからOKって話ではない」と、名誉毀損とは異なる「裏金」問題に言及する返信をした。

すると、萩生田事務所のアカウントは、この返信に対して「何で名誉毀損の話してるのに裏金が出てくるの?『話をずらす』と深田萌絵教の教義にでもあるの?普通にやばいよ」と、挑発的かつ皮肉めいた、普段の公的アカウントとしては異例な投稿を行った。

この「誤爆」とも取れる投稿に対し、深田氏は「裏金議員が、裏アカと間違えて本アカで工作活動。私たちの税金でネット工作員を雇っているのがこの国の実態か」と指摘し、アカウントが裏アカウントと間違えられた可能性や、萩生田氏側がネット工作員を雇っている可能性を示唆した。さらに、「アンチが萩生田事務所の裏アカでは?と指摘されてから一気にアンチ減りました」とも投稿し、これまでの批判的な書き込みが萩生田氏サイドのスタッフによるものだったのではないかとの推測を披露した。

萩生田事務所のアカウントによる一連の投稿はネット上で激しい炎上を引き起こした。事務所側は事態を鎮静化させるため、「この度は、不適切な投稿をしてしまい、誠に申し訳ございませんでした」と謝罪コメントを掲載。続けて、「当アカウントは複数人でチェックしておりますが、連日の電話対応により、担当者の精神的な負担が限界を超え、電話対応終了後に衝動的に投稿してしまったものでございます。当該担当者については、アカウント管理業務から外し、専門医の受診をさせた上、しばらく休養させる措置を講じます」と、統括秘書名義で経緯と対応を発表した。この説明について、ワイドショー関係者からは「投稿したスタッフを“病人”扱いして世間の許しを乞うているようにも見える」との見方が出ている。誤爆投稿を削除せず、対応策を練った結果かもしれないという。

深田氏の反論と今後の展望

深田氏はFRIDAYデジタル編集部のメール取材に対し、萩生田氏の画像を使いチラシを作製したかどうかの質問には直接言及を避けつつも、「『萩生田光一先生、去年はご丁寧に脅迫状を事務所まで送付されてご苦労様でした。萩生田先生が【自民党印鑑】を私的に濫用され、党権力私物化された証拠として記念にとってます』という投稿は私が行いました」と過去の投稿について述べた。また、萩生田氏が警察とSNSで異なる説明をしている点について説明責任があるとの考えを示した。

萩生田氏と同じ東京24区から立候補する予定に変更があるかとの質問に対しては、「当方が、東京24区で出馬の準備を始めたのは半年ほど前のことでした」とし、SNS上で自身の行動が監視され、匿名でブログやSNSに投稿されていることに言及。それらの活動が萩生田氏の関係者による擁護と連動しているとし、萩生田氏が自身の出馬情報を得た結果、「私が出馬できないように選挙妨害の目的で警察を使って弾圧するという行為に踏み切られたのかと思います」と述べ、選挙妨害の目的で告訴が行われたという主張を繰り返した。立候補予定の明確な変更については言及しなかった。

政治活動における「表現の自由」と、法的に問題となる「誹謗中傷」は全く異なる性質を持つ。この一連の騒動について、どちらの主張が正当であるかの最終的な「審判」は、有権者である国民が選挙を通じて下すことになるだろう。

出典

FRIDAYデジタル