農林水産省は16日、6月2~8日に全国のスーパーで販売されたコメ5キロ・グラムあたりの平均価格が前週より48円安い4176円だったと発表した。3週連続の値下がりは、2023年夏以来。随意契約による政府備蓄米の流通が今月から本格化したことが、価格を押し下げたとみられる。
農水省は全国約1000店のスーパーの購入データを基に平均販売価格を発表している。4100円台となるのは3月17~23日以来、約3か月ぶりだ。報道陣の取材に応じた小泉農相は、「国民が安心して買える水準にはなっていない。スピードを緩める段階にはない」と述べ、対策を継続する姿勢を示した。
コメの種類別の売上数量の割合は、備蓄米を含む比較的安価な「ブレンド米」が前週比5ポイント高い44%となり、初めて4割を超えた。「コシヒカリ」などの銘柄米は5ポイント低い56%だった。
ただ、ある大手スーパーの担当者は、銘柄米の価格には変化がないと指摘。「店頭に並ぶ安いコメの量が一時的に増えているだけで、相場全体が下がったわけではない」とした上で、「全体の価格が下がるにはもう少し時間がかかるのではないか」と話した。