米プロバスケットボール(NBA)の名門、ロサンゼルス・レイカーズが、スポーツチームとして史上最高額で売却される見通しとなった。事情に詳しい関係者が18日、明らかにした。このレイカーズ売却は、推定100億ドル(約1兆4500億円)という巨額で行われると報じられており、世界のスポーツビジネスにおける新たな歴史を刻む可能性がある。買収を主導するのは、TWGグローバルのマーク・ウォルター最高経営責任者(CEO)だ。
史上最高額の買収とその広がり
今回の売却合意は、長年にわたりチームを所有してきたバス家が、レイカーズの株式の過半数をマーク・ウォルター氏に売却するという内容だ。報じられている推定売却額100億ドル(約1兆4500億円)は、最終的にこれを超える可能性も指摘されている。これは、今年3月にボストン・セルティックスが61億ドルで売却され、当時の米スポーツチーム史上最高額を大幅に上回る金額となる。
ウォルター氏は富豪の投資家であり、TWGグローバルのCEOを務めている。彼は2021年からレイカーズの共同オーナーとして株式20%を保有しており、今回は追加権益を取得する形となる。ウォルター氏は、サッカーの英チェルシー・フットボール・クラブや、来年参戦予定の自動車レース、キャデラック・フォーミュラ1チームなど、世界中の多様なスポーツチームに投資を行っている。
ウォルター氏と日本のスポーツ界との繋がり
ウォルター氏のスポーツ関連の投資で特筆すべきは、米大リーグ(MLB)のロサンゼルス・ドジャースのオーナーでもあることだ。ドジャースには、日本を代表するスーパースターである大谷翔平選手と山本由伸投手が所属している。ウォルター氏体制下のドジャースは、昨年のワールドシリーズで優勝しており、その経営手腕は高く評価されている。
コート上のレブロン・ジェイムズ選手とロサンゼルス・レイカーズの選手たち
レイカーズの輝かしい歴史とオーナーシップ
ロサンゼルス・レイカーズは1979年以来、バス家がオーナーを務めてきた。ジェリー・バス氏は当時、レイカーズ、アイスホッケーのロサンゼルス・キングス、そしてアリーナであるキア・フォーラムをまとめて6750万ドルで買い取った。
バス家がオーナーシップを担う間に、レイカーズはNBAで最も成功したチームの一つとなり、NBAファイナルに17回進出し、11回の優勝を果たした。近年の3シーズンはプレーオフに進出しているものの、タイトル獲得には至っていない。
ジェリー・バス氏が2013年に死去した後、所有権は6人の子どもたちの信託へと引き継がれた。現在、バス家はチームの株式の66%を保有している。現地紙ロサンゼルス・タイムズによると、今回の売却には、この6人の子どもたちの過半数の同意が必要とされている。
関係者の反応
レイカーズの伝説的な選手であり、かつては株主でもあったマジック・ジョンソン氏は、今回の売却について、ファンは歓迎するだろうとの見解を示した。ウォルター氏がドジャースをワールドシリーズ優勝に導いた実績に触れつつ、同氏がレイカーズの豊かなレガシーを引き継いでくれるだろうとコメントしている。
BBCはレイカーズに対し、本件に関するコメントを求めている。
結論
ロサンゼルス・レイカーズの推定100億ドルでの売却は、米国のプロスポーツ史上、過去最高額となる歴史的な取引です。長年のオーナーであるバス家から、ドジャースや他のスポーツチームのオーナーでもあるマーク・ウォルター氏へと経営権が移行することで、NBA屈指の名門球団の新たな章が始まります。この巨大な取引が、今後のレイカーズのチーム運営やNBA全体にどのような影響を与えるか、大きな注目が集まっています。
参考文献
- BBC News (英語記事 Los Angeles Lakers to sell majority ownership in historic deal)