花街の「闇」に光:未成年飲酒、性加害を告発 元舞妓ら団体設立

京都の伝統文化である「花街」に関し、元舞妓と弁護士らが「舞妓と接待文化を考えるネットワーク」を設立しました。これは、かつて「花街の闇」として未成年飲酒や性加害を告発し、大きな話題を呼んだ元舞妓の桐貴清羽氏らが中心となり、伝統文化のアップデートと問題解決を目指すものです。この動きは、「伝統を守りたい」と「違法行為は文化でない」という二つの声の間で議論を再燃させています。

舞妓と接待文化の問題解決を目指すネットワーク設立会見の様子舞妓と接待文化の問題解決を目指すネットワーク設立会見の様子

ネットワーク設立の背景と具体的な問題点

元舞妓の桐貴清羽氏は、約3年前に自身が経験した舞妓時代の問題を告発しました。今回、改めて団体設立に踏み切ったのは、シングルマザーとしての育児・体調の落ち着きと、協力してくれる弁護士が現れたことが背景にあります。一人ではなく専門家と共に、花街の構造的な問題に体系的に取り組むためです。

彼女が問題視する具体的な「未成年への違法行為」は以下の通りです。当時16歳で「浴びるほど飲まされた」という未成年飲酒、朝4時から深夜12時すぎまで働く長時間・深夜労働、そして着物の袖からの接触、混浴強要、客の下半身洗浄といった性加害・セクハラ行為が挙げられます。

花街の未成年飲酒・性加害問題を告発した元舞妓 桐貴清羽氏花街の未成年飲酒・性加害問題を告発した元舞妓 桐貴清羽氏

閉鎖性と「辞められない構造」が招く困難

問題の根深さの一つは、花街の閉鎖性です。当時は携帯電話所持が許されず、連絡手段が限られていました。「舞妓の話はタブー」という雰囲気の中、悩みを外部に相談することは困難でした。弱音を吐けば「根性がない」と見なされる空気も問題を内包させました。

さらに深刻なのが、「一度入ったら辞めにくい構造」です。法的に問題が指摘される無給の「年季奉公」により、辞めても教育や収入がなく自立が困難です。高校中退などで知識・スキルが不足する上、就職活動で花街の顧客が面接先トップの場合、採用が見送られるケースもあり、事実上のブラックリスト化につながる可能性も指摘されています。

結論

「舞妓と接待文化を考えるネットワーク」は、これらの問題に対し、伝統文化の名の下に見過ごさず社会全体で考える機会を提供し、時代に即した「花街文化のアップデート」を目指しています。伝統と人権の間で、具体的な改善策が求められています。

出典: Yahoo!ニュース より