1999年11月に名古屋市西区で発生した主婦・高羽奈美子さん(当時32歳)殺害事件において、愛知県警は10月31日、ついに容疑者を逮捕しました。発生から約26年間もの間未解決となっていたこの事件の進展に、被害者の夫である高羽悟さんは大きな驚きと安堵を口にしています。長きにわたる捜査の末の逮捕は、事件の真相解明に向けた大きな一歩となるでしょう。
逮捕の一報と夫・高羽悟さんの反応
10月31日の昼過ぎ、高羽悟さんのもとに西署から連絡が入りました。午後2時頃に署を訪れると、「今夜逮捕します」との報せを受けたといいます。悟さんは、「びっくりしたし、よく捕まったなと思った。私は自宅から出て友人たちと飲んでますよ。お祝いしてもらっています」と、逮捕への率直な驚きと、長年の苦しみが報われたことへの喜びを語りました。事件はなぜ、これほどまでに長い間「未解決」の状態にあったのでしょうか。この逮捕は、26年近くにわたる遺族の願いがようやく届いた瞬間となりました。
 1995年に結婚した高羽悟さん(左)と高羽奈美子さん(右)。26年越しの逮捕に夫は安堵と驚きを語った。
1995年に結婚した高羽悟さん(左)と高羽奈美子さん(右)。26年越しの逮捕に夫は安堵と驚きを語った。
事件発生時の状況:1999年11月13日の悲劇
高羽奈美子さん殺害事件は、1999年11月13日午後2時半頃、名古屋市西区稲生町5丁目のアパートで発覚しました。アパートの大家が、自宅の庭で採れたカキを住民に届けようと高羽さん宅を訪問。インターホンを鳴らしても応答がなく、玄関が無施錠だったためドアを開けたところ、奈美子さんが首から血を流して倒れているのを発見し、119番通報しました。室内ではテレビがつけっぱなしの状態で、当時2歳1カ月だった幼い息子さんが子供用の椅子に座っていました。混乱する大家の元に、3階に住む奈美子さんのママ友が駆けつけ、息子さんを預かりました。
夫・悟さんが受けた衝撃の電話
当時、名古屋市北区のタワーマンションで不動産販売の営業をしていた夫の高羽悟さんは、勤務先にママ友からの電話を受けました。同僚社員からは「高羽さんの奥さんが吐血して倒れたそうです。救急車を呼んだので、すぐに帰ってきて欲しいそうです」と伝えられました。奈美子さんに持病がなかったため不審に思いながらも車で帰路につく途中、PHSが鳴ります。同じママ友からの電話で、「落ち着いて聞いてくださいね」という言葉に悟さんは覚悟を決めました。そして、「間に合わなかったんです…」という悲痛な一報に対し、悟さんは意外なほど冷静に「お手数かけてすみませんでした」と答えたと語っています。
今回の逮捕は、長年の苦悩と沈黙を破り、遺族にようやく正義への道筋を示すものとなりました。未解決事件の捜査に光が差し込むことは、社会全体の安全と信頼の回復にも繋がる重要な一歩です。今後、事件の全容が明らかになることを期待し、捜査の進展が注目されます。
参考文献
- 文春オンライン (2021年5月5日)
- Yahoo!ニュース (https://news.yahoo.co.jp/articles/bebbc2f6231b396c435e93816402f45306732665)
 
					




