イラン最高指導者、米軍事介入に「取り返しのつかない損害」と警告 – イスラエルとの緊張続く

イスラエルとイランの間で攻撃の応酬が続く中、イランの最高指導者アヤトラ・アリー・ハメネイ師は、アメリカが軍事的に介入した場合、取り返しのつかない損害を被ることになると強く警告しました。この警告は、中東情勢の緊張が一段と高まっている現状を浮き彫りにしています。

イラン最高指導者ハメネイ師の強い警告

ハメネイ師は18日に公開された演説の中で、イスラエルとの「押し付けられた戦争にも平和にも、断固として立ち向かう」姿勢を改めて示しました。これは、イランが外部からの圧力や軍事行動に対して屈しない強い意志を持っていることを示唆しています。また、過去のアメリカのトランプ政権がイランに求めたとされる「無条件での降伏」を拒否する立場を改めて表明し、イランの主権と尊厳を守る姿勢を強調しました。

その上で、特にアメリカが軍事行動に出た場合の深刻な結果について言及しました。ハメネイ師は具体的に、「アメリカが特に軍事的に介入する場合、アメリカが被る損害は間違いなく取り返しのつれないものになるだろう」と述べ、一方的な軍事行動への強い牽制を行いました。これは、アメリカの地域における軍事プレゼンスやその支援姿勢に対する明確な警告と見られます。イランは以前から、アメリカの地域への介入が不安定化を招くと非難しています。

イラン最高指導者アヤトラ・アリー・ハメネイ師が声明を発表する様子イラン最高指導者アヤトラ・アリー・ハメネイ師が声明を発表する様子

イスラエルの対抗措置とその主張

一方、イスラエル側もイランに対する対抗措置を続けています。イスラエルのヨアブ・カッツ国防相は同日(18日)、イスラエル空軍の戦闘機がイランの治安部隊の本部を破壊したと発表しました。これは体制の要への直接的な攻撃であり、イスラエルがイランへの圧力を緩めない姿勢を示すものです。イスラエルは、イランが地域内の武装勢力(プロキシ)を支援し、自国への脅威を高めていると主張しており、今回の攻撃もその一環とみられます。

カッツ国防相は「我々は(イランの)体制の象徴への攻撃を続ける」と強調し、今後の作戦継続を示唆しました。イスラエルは、イランの核開発疑惑や地域での影響力拡大に対し強い警戒感を示しており、必要であれば軍事的な手段も辞さない構えを見せています。両国間の直接的および間接的な衝突は、地域全体の不安定化を招く懸念があります。

イスラエル空軍の活動を示す戦闘機イスラエル空軍の活動を示す戦闘機

今後の展望

これらの動きは、イスラエルとイランの間の深い対立が解決の糸口を見いだせず、むしろエスカレートする可能性をはらんでいることを示しています。特に、イランからのアメリカへの直接的な警告は、今後の国際社会の対応や中東地域の安定に大きな影響を与える可能性があります。情勢の推移が引き続き注視されています。アメリカを含む主要国の外交努力が、さらなる軍事衝突を防ぐ鍵となりますが、現状では緊張緩和への道筋は不透明です。

参照元

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