2024年6月22日に放送されるABCテレビ・テレビ朝日系「新婚さんいらっしゃい！」で、結婚までに22年の歳月を費やし、病と闘い打ち勝ったある夫婦の物語が紹介される。これは、単なる恋愛物語にとどまらず、深い絆と不屈の精神で困難を乗り越えた、現代社会における家族のあり方や支え合いの重要性を示す感動的なエピソードだ。
昨年12月に結ばれた41歳と40歳のこの夫妻。彼らの出会いは2002年12月6日、夫が18歳、妻が17歳の時までさかのぼる。沖縄出身の夫が専門学校生として上京し、友人のライブ帰りに西武鉄道の上石神井駅から小平駅へ向かう途中、妻と同じ車両に乗り合わせたことが運命の始まりだった。当時高校3年生で、母の介護のため3カ月ぶりに外出していたギャルだった妻は、友人を田無駅まで見送り、自宅のある小川駅へ向かっていた。
運命の出会いと突然の悲劇
電車内で妻に一目惚れした夫は、妻が降りた小川駅で思わず下車。カラオケに誘うと、妻は「よく見たらかっこいい」と感じ快諾し、二人は意気投合した。楽しい時間を過ごした妻は、大量の着信に気づきつつも無視し、翌日の約束をして家路につく。しかし、その着信は父からで、帰宅すると母の突然の他界を知らされる。享年48、原因は急性心不全だった。
翌日、妻は夫にデートを断る連絡を入れた。それをウソだと思った夫は「告別式の情報を教えて」と返信。詳細を受け取り事実を知った夫は、後日告別式に参列した。「まさか本当に来るとは思わなかった」という妻は、夫の誠実さに強く惹かれた。
寄り添う共同生活とうつ病との闘い
母の死という大きな悲しみが落ち着いた数週間後、二人は再会し交際をスタートさせた。しかし、妻の悲しみは深く、「一人にしておくのが怖い」と感じるほど暗くなってしまう。夫は専門学校の授業以外の時間を妻の部屋で過ごし、ある日、それが義父に見つかる。夫は「惚れているので住まわせてください」と懇願し、義父もこれを快諾。こうして、夫、妻、義父の3人での共同生活が始まった。
「新婚さんいらっしゃい！」に出演した夫婦とMC陣。長年の愛を語る。
夫が居候を始めて約3カ月後、妻の症状は悪化し、外出することすら怖い状態になる。病院でうつ病と診断され、目を離せない状況が多くなったため、夫は義父に「仕事を辞めてでも支えたい」と相談する。義父は「金は気にするな、娘を頼む」と応え、娘を深く心配していた父にとっても、夫の申し出は心強いものだった。
8年間の引きこもりからの再起と夢の実現
妻が外出できない期間は8年間にも及んだ。なぜそこまで寄り添えたのかという問いに対し、夫は「単純に好きだったから、支えたい、良くしたいという思いだけ」と答える。一方、「社会に出なければ」という葛藤を抱えていた妻は、偶然見かけた着付け教室のネット広告に意欲を掻き立てられた。
着物文化への理解を深める「きもの文化検定」を受けたいと夫に相談すると、夫は喜び、妻の挑戦を後押しした。膨大な知識が必要なこの検定に、妻は5年の歳月をかけて合格。さらに、着付けに関する知識と技能を評価する国家検定「着付け技能士検定」1級も取得した。これらの経験を通じて自信を取り戻した妻は、現在、フリーの着付師として活躍している。
不屈の愛が紡いだ現在
困難に打ち勝ってきた夫婦の不屈の愛の物語に、MCの井上咲楽は「誰一人欠けてはいけない存在。みんなで支えてきたのが伝わった」と涙し、藤井隆も母を突然失った妻の苦しみを想像し言葉を詰まらせた。しかし妻は「母が会わせてくれたのかと今では思っている」と、出会いを前向きに捉えている。
現在、夫婦は夫が購入した家で、妻の父と3人で楽しく暮らしているという。番組では、彼らの現在の幸せな生活の様子もVTRで紹介される予定だ。この夫婦の歩みは、愛する人を支え続けることの強さ、そして家族の絆がいかに困難を乗り越える力となるかを私たちに教えてくれる。
【出典】
よろず〜ニュース
