お笑いタレントの東野幸治氏が、自身のラジオ番組でベテラン司会者である徳光和夫氏が過去に出演した男性芸能人の言動に苛立ちを見せていたというエピソードを明かしました。これは、日本テレビ系の大型チャリティー番組「24時間テレビ」での出来事だといい、その舞台裏で起こった意外なやり取りが注目を集めています。
徳光和夫とえなりかずき、「24時間テレビ」での意外な一幕
東野幸治氏が20日深夜放送のABCラジオ「東野幸治のホンモノラジオ」で語ったのは、「24時間テレビ」にまつわる秘話です。番組の終盤、チャリティーマラソンのランナーがゴールに向かう感動的なクライマックスは、徳光和夫氏の力強い実況と応援メッセージが恒例となっていました。「頑張れ!」「あと少し!」といった徳光氏の声かけが、CM入りのタイミングと合わせて番組を盛り上げていたのです。
しかし、かつて俳優のえなりかずき氏が応援サポーターとして出演した際、この長年の”お約束”が破られる事態が発生したと東野氏は指摘します。東野氏は当時の状況を見ていて、徳光氏がえなり氏に対して明らかに「イラついていた」ことに気づいたといいます。その原因は、えなり氏が徳光氏の決め台詞に「かぶせてきた」ことでした。
バラエティー番組の「暗黙の了解」を巡るずれ
東野氏によると、バラエティー番組、特に生放送の終盤においては、ベテランが最後に言葉を締めるという「暗黙の了解」が存在します。徳光和夫氏が感動的にランナーを鼓舞し、CMへと繋ぐのが長年のスタイルであり、周囲はそのタイミングを尊重するのが通例だったのです。
ところが、えなりかずき氏は役者としての経験は豊富でも、バラエティー番組特有のこうした機微に疎かったのかもしれない、と東野氏は推測しました。えなり氏は徳光氏の言葉に重ねるように、「大丈夫、大丈夫。時間ありますから」「水分補給!」といった、当時の感覚では「ちょっと時代に合ったこと」を言ったといいます。これに対し、徳光氏は長年の浪花節的な応援スタイルを貫いており、えなり氏の現代的な声かけに「ん?」という反応を見せていたと東野氏は振り返ります。
徳光氏が「俺で終わるはずが。なんやねん、アイツ。何かぶしてきてんねん」と感じているであろう様子を察し、東野氏は心中で「えなり君、それアカンで」「キャリア上のベテランの人が、一番最後に言葉を締めたら、暗黙の了解で言ったらアカンねん」と思っていたと語り、そのCM前が「すごい楽しみやってん」と、どこか悪びれた様子で話しました。
徳光和夫とえなりかずきに関するエピソードを披露する東野幸治
秘話の結末:えなりかずきのその後
東野幸治氏は、この出来事の「不思議なもんですね」という後日談を付け加えました。なんと、この一件があった翌年から、えなりかずき氏が「24時間テレビ」に出演することが一切なくなったというのです。この結末を聞いたアシスタントの渡辺あつむ氏は、「ほぉお~!」と驚きの声を上げていました。
このエピソードは、生放送という特殊な空間におけるベテランと若手の間のコミュニケーションの難しさや、テレビ番組制作における目に見えないルールの存在を示唆しており、多くのリスナーや視聴者にとって興味深い舞台裏の秘話となりました。
参照元
東スポWEB